県内では8月8日、線状降水帯が2回発生するなど、記録的な大雨に見舞われました。田んぼに土砂が流れ込む被害が相次いだ鹿児島市の吉田地域も実りの秋を迎えています。

鹿児島市の本城小学校に通う末吉将宗君。4人家族の長男で、スポーツが得意な小学5年生です。今年の夏休み、忘れられない出来事がありました。

(本城小5年 末吉将宗君)「すごい水害が起きると聞いていたが、まさか自分の誕生日に起きると思わなかった」

県内で記録的な大雨が降った8月8日。家族でコメを作っている田んぼに土砂が押し寄せ、収穫前の稲が被害を受けました。

この日は11歳の誕生日。当時の出来事を“夏休み新聞″にまとめました。

(将宗君の夏休み新聞)
「ぼくの誕生日にとんでもない水害がありました。被害は山にある田んぼが水を引けなくなり、コメをつくれなくなりました」

将宗君が暮らす鹿児島市の吉田地域では農地や農業用施設の被害が114件に上り、市全体の8割を占めました。

(末吉将宗君の父 宏己さん)「自分たちの手ではどうにもならない状況。水を引き込むところが壊れているので、それが治らないことにはここでは稲作はできない」

本城小学校では毎年、将宗君の家族の田んぼを借りて、コメ作りを体験しています。今年、子どもたちが稲を植えた田んぼは被害を免れ、きょう3日、無事に収穫できました。

(1年生)「(稲刈りは)こんなに楽しいんだと思った。ふりかけご飯にしたい」

(2年生)「みんなでご飯パーティーしたい」

(2年生)「こんなに大変なんだなと思った。おコメを大切に食べる」

父親の宏己さんも子どもたちの稲刈りを手伝います。

(末吉将宗君の父・宏己さん)「気分転換になる。ものすごく楽しい。これが楽しくて稲刈りしている」

(本城小5年 末吉将宗君)「お父さんも笑顔が出ていてとても良かった。みんなで(稲刈り)すると思い出にもなるし、つらかった気持ちが吹っ飛ぶ」

被災しながらも迎えた実りの秋。将宗君にとって、きょう3日も忘れられない1日になったようです。