海上自衛隊・鹿屋航空基地で、アメリカ軍の無人偵察機・MQ9のデモフライトが5日に行われました。今月中の運用開始が迫る中、地元の反応はどうだったのか、取材しました。

(MQ9部隊 アレクサンダー・ケリー司令官)
「MQ9や部隊について説明する機会が得られてうれしく思う」

5日の鹿屋基地。地元関係者の視察会場となったMQ9の格納庫前では、機体の姿が初めて間近で公開されました。全長11メートルとセスナ機よりやや大きく、機体前方には、相手の艦艇などを昼夜・天候に関わらず撮影できる高性能のセンサーがついています。

鹿屋基地には、このMQ9が8機配備され、今月中に運用が始まる見込みで、運用に伴い、最大200人程度のアメリカ軍関係者が駐留します。

鹿屋市の中西市長、そして塩田知事らおよそ50人の地元関係者が見守る中、デモフライトは始まりました。

「MQ9」1機が基地の南側を中心としたおよそ40キロのコースを反時計回りに2回飛行。アメリカ軍によりますと、高度はおよそ550メートル、時速220キロで、時間は15分間でした。

鹿屋基地から1キロ余り離れた住宅街でも…。
(住民)「見えた、見えた。あんな高いんだ」

(住民)「初めて見てびっくりした。安全に生活できれば」
(住民)「(飛行を)見られてよかった。だけど心配。無人機だから」
(住民)「今後どういうことが世界的にあるか分からず不安。のどかな風景に非現実的な世界があるのが鹿屋かなと」

基地の周辺では、MQ9の配備に反対する市民グループの姿がありました。

(9条の会おおすみ・松下徳二代表)
「すごい機体が鹿屋にやってきた。簡単に受け入れていると、米軍が平気で(鹿屋基地を)使うようになるのでは」

5日は会場で取材の時間が設けられなかっため、鹿屋市の中西市長や塩田知事は、7日にデモフライトについて次のように述べました。

(塩田知事)「いろんな条件によって違うかもしれないが、それほど戦闘機特有の、ものすごいごう音ではなかった」

(中西市長)「鹿屋市独自に騒音調査を行った。市民の皆さんの感じ方もあると思うが、騒音レベルは自衛隊機よりも低い印象だ」

鹿屋市は7日、デモフライトによる騒音結果を発表しました。基地から西に600メートル離れた野里町と、東に1キロ余りの川東町で測定した結果、最大72デシベルで「新幹線の車内並み」だったということで、アメリカ軍のオスプレイや自衛隊のP−3C哨戒機よりも低い結果だったとしています。

鹿屋でMQ9部隊を指揮するアレクサンダー・ケリー司令官は報道陣に対し、無人機配備の重要性を強調しました。

(米軍MQ9部隊 アレクサンダー・ケリー司令官)
「ロシア・中国・北朝鮮の脅威に対応するため、日米協力する必要がある。鹿屋でのMQ9の配備は1年だけで、365日を超えて運用することはない」

「機体の準備は順調に進んでいる」というアメリカ軍。運用開始は今月中としています。