鹿児島市は1日、整備を計画しているサッカースタジアムの整備費などの試算を公表し、3つの候補地のうちドルフィンポート跡地が「最も経済効果が高い」としました。
ただ、ドルフィンポート跡地には鹿児島県も総合体育館を計画していることから、計画の実現を懸念する声が相次ぎました。
(入船攻一市議)「人(県)の屋敷に計画して、何か建てようとしている。(話が)こじれているとは言わない。こじれに差し掛かっている」
市が1日の市議会特別委員会で中間報告として公表したのは、本港区に計画を進めるサッカースタジアムの整備費や運営収支などの試算です。
鹿児島市は2019年にサッカースタジアムの候補地を3か所に絞り込みましたが、県がその後、ドルフィンポート跡地を新たな総合体育館の整備地としたため、市は、県への説明などのために整備費などを試算しました。
スタジアム整備費は「浜町のバス車庫」が208億円、県有地の「住吉町15番街区」が202億円、県有地の「ドルフィンポート跡地」が169億円で最も低いと試算されました。
年間の運営収支も2200万円の赤字、99万円の黒字、660万円の黒字で、3候補地のうち「ドルフィンポート跡地」が「最も経済効果が高い」としています。
こちらは県は3月に策定した新たな総合体育館の基本構想です。ウォーターフロントパークを残し、多目的広場と体育館を並べる配置です。
一方、1日に市が公表した配置案では、ウォーターフロントパークをなくし、体育館の向きを変えてずらしたうえで、空いたスペースにスタジアムを整備する計画が示されました。
県が計画中の体育館の位置を変えたスタジアム配置図を公表したことに対し、議員からは疑問の声が上がりました。
(伊地知紘徳市議)「(県の計画変更を)前提にした中間報告だ。県がこれまで示してきた方針とは違うことを打ち出そうとしている」
(市の担当者)「どの候補地でも港湾計画や土地利用の規制などの変更を求めていかなければならない、大変厳しい計画。引き続き、県とは協議をするが、丁寧に進めたい」
県が進める体育館計画の変更を前提とした配置案を市が公表したことについて県は「具体的な内容は市からの報告を待つが、今後、県の検討委員会で議論する」としています。
1日はこのほか、スタジアムに飲食店、フィットネス施設などを併設した場合の案も示されましたが、県の体育館構想と重複してしまうと懸念する声も上がりました。
(平山貴久市議)「飲食や会議室などが、同じように併設されると利用率が下がると危惧する。少し甘いというのが正直な思い」
市は今後、中間報告の内容を踏まえて、県との協議を本格化させる方針です。







