鹿児島県十島村の諏訪之瀬島に、地域おこし協力隊として、20年ぶりにUターンした女性がいます。「島とのつながりをなくしたくない」という思いがありました。

鹿児島市から南におよそ270キロにある十島村の諏訪之瀬島。中心にそびえる御岳は今も活発に噴煙を上げる火山の島で、火口から南西およそ4キロの集落に、現在、83人が暮らしています。

未就学児7人が通う子育て拠点施設「すわっこ園」で働く園山菜都美さん(27)です。

(園山さん)「子どもと遊ぶのは好きなほうだったので、いろいろ作って子どもたちと遊んだり楽しいですね」

島で生まれた園山さんは小学2年生になる年に、姉の高校進学のため、母親ときょうだいと一緒に島を離れ姶良市に移住。発電所の仕事があるため、父親の登啓さんは島に残りました。
家族はお盆や正月に島に戻る生活を続けていましたが、登啓さんは去年5月、がんで亡くなりました。73歳でした。

(園山さん)「ずっと父が好きで住んでいた島だったので帰って来たいなという思いがあって」

島を離れて19年。「ふるさととのつながりをなくしたくない」との思いで、移住を決意したという園山さん。自動車整備士の仕事をやめ、今年6月、十島村の地域おこし協力隊として島に帰ってきました。

(園児)「いつもやさしくて、いつも遊んでくれる」
(保護者)「声掛けが上手で子どもたちを楽しませてくれる、いい先生だと思います」
(保護者)「子どもたちが喜ぶ遊びをたくさん考えてくれる、とてもいい先生です。みんな大好きです」

(園山さん)「親戚もいるし、小さい頃から知っているおばあちゃん、おじいちゃんたちもいっぱいいて、『なっちゃんが帰ってきてくれて良かった』というのがあるので、そこが一番良かったです」

諏訪之瀬島よりも県本土での生活のほうが長い園山さんですが、帰ってきて良かったと感じています。

(園山さん)「島の外の人に知ってもらうのも一番だが、島の中の人たちが過ごしやすい島になるようにするのも地域おこし協力隊の仕事だと思う」

園山さんはきょうも、大好きなふるさとが笑顔になるようがんばっています。