ニューズナウでは先月、県立高校のエアコン設置について、九州他県では公費での整備が進む一方、鹿児島では公費負担がなかったため、61校6校で未設置だというニュースを最初にお伝えしました。
知事はその後、公費での設置を進める考えを示し準備が進められていますが、6校の生徒たちは今もエアコンがないまま過ごしています。

エアコンが設置されるまで暑さを乗り切ってもらおうと、ニューズナウを見た指宿市の男性から6校にあるプレゼントが贈られました。

霧島市牧園町の霧島高校です。図書室やパソコンルーム以外の教室にはエアコンがなく、100人の生徒はこの夏の暑さを扇風機などでしのいできました。

(生徒)
「ファイルであおいだりしていた」
「(授業の)途中で1分間、あおいでいいよって先生が言って、あおいだり」

そんな生徒たちを喜ばせるあるものが今月1日から登場しました。それは、補給した水を気化させて最大40平方メートルに冷たい風を送ることができる大型冷風扇です。

(記者)「廊下はほとんど風がなく、なまぬるく感じます。新たに設置された冷風機のある教室に入ると、ひんやりとした風が広範囲に吹いていて、体感温度もぐっと下がります」

6つの教室に設置され、生徒たちも過ごしくなったと喜んでいます。

(生徒)
「気温がとても低くなって涼しく過ごせている」
「テストを受けたときに置いてあって、心地よく受けられた。集中できる」

(教頭)「冷風機があるのとないのでは違うので、生徒のために本当にありがたい」


大型冷風扇を贈ったのは、指宿市の建設会社・常盤建設の会長・尾辻義治さんです。

(常盤建設 尾辻義治会長)
「ニューズナウで知って、エアコンがない高校があるのか、かわいそうだと思って、各校にうちの職員とお持ちした」

尾辻さんはニューズナウをきっかけに、未設置の6校を1週間かけてまわり、それぞれに6台ずつ、合わせて36台を寄贈しました。費用は1台あたりおよそ5万円で、総額180万円に上ります。

(尾辻会長)
「やる気を出してもらいたい。自分の孫とか子どもだったら(エアコンがないと)うわーっと思う。今は異常気象、熱中症にコロナ。良い条件にしてあげないと、日本や地元を背負う子どもたちが育たない」

尾辻さんのもとには、大型冷風扇が贈られた学校の生徒たちから感謝状も。

(尾辻会長)
「子どもから頂いた感謝状。嬉しいからあそこに一番最初に飾った。良かったな、皆さんの活躍の一助になればと思う」


尾辻さんが贈った“涼しい風”が、受験や資格試験などを控えた生徒たちの背中を押しています。

(生徒)「これから資格取得も残っているので勉強に集中していきたい。設置して頂いてとても感謝している」

(生徒)「暑い中勉強していたのに、冷風機が来たことで涼しく勉強が出来ている。贈っていただいて感謝している。ありがとうございます」

県教育委員会によりますと、エアコンの具体的な設置時期は未定ですが、設置事業者の発注に向けた準備を進めていて、一日でも早い設置を目指しているということです。