サトウキビの生育に影響を及ぼす「黒穂病」が離島を中心に拡大しています。鹿児島県は21日、注意報を出し、生産者などに対策を呼びかけています。

「黒穂病」は、サトウキビなど主にイネ科の植物が感染するカビが原因の病気です。感染すると黒っぽいカビがつき、茎が細くなり、砂糖の原料として品質が下がります。予防薬はありません。

県病害虫防除所によりますと、今月12日、沖永良部島の知名町の畑で確認されたことから、周辺で調査をしたところ、沖永良部島の68か所、喜界島の11か所、奄美大島の1か所、徳之島の1か所の畑で確認されました。

離島を中心に感染が拡大していることから、県病害虫防除所は21日、熊毛・奄美地方に注意報を出しました。

病原菌となるカビの胞子が風や雨で飛散するとさらに拡大するおそれがあることから、黒穂病の症状に気づいたときには胞子が飛ばないようビニールをかけて抜き取るよう呼びかけています。

黒穂病の注意報が出されたのは今回が初めてです。1975年に離島を対象に警報が出された際には、1600ヘクタールのサトウキビ畑で感染が確認されました。