鹿児島を去年訪れた修学旅行生が、前の年から4割減ったことが分かりました。
各学校がコロナ前に行き先を戻した反動とみられ、観光関係者からは今後の影響を危惧する声が聞かれました。
(県教育旅行受入対策協議会 中原明男幹事長)「鹿児島の修学旅行は落ちるところまで落ちたと言っても過言ではない」
これは、県教育旅行受入対策協議会の総会で、17日報告されたものです。去年、修学旅行で県内に宿泊した人は6万60人で、おととしの宿泊者数からおよそ4割減りました。
新型コロナで行事が軒並み中止となった2020年を除くと過去最低の宿泊者数で、学校数も649校でおととしから257校減少しました。
県内への修学旅行は少子化の影響で2019年まで右肩下がりでしたが、コロナ禍の2021年に前の年から倍増し、7年ぶりに10万人を超えました。コロナ前は海外に行っていた他県の学校が、鹿児島に行き先を変更したケースや鹿児島県内の学校が、県内を旅行するケースが増えたことが要因とみられます。
ただ、おととしは再び10万人を割り込み、去年はさらに4割減少しました。新型コロナの「5類移行」により多くの学校が、行き先をコロナ禍前に戻したとみられています。
コロナ禍での思わぬ修学旅行「特需」を経てアフターコロナで続く「揺り戻し」に、県内の宿泊関係者からは他県へのさらなるの修学旅行生の流出を危惧する声が聞かれます。
(指宿シーサイドホテル 有村純頼社長)「(修学旅行)減ってきているのは事実。人口減や1校あたりの生徒数も減ってきている事情もある。ニーズの変化も出てきているので事細かに分析して対応することが必要」
(県教育旅行受入対策協議会 中原明男幹事長)「せっかくコロナ禍で鹿児島に来ていたのに、コロナ禍後に元の(行き先に)戻ってしまった。引き止められなかったところ、アピールが行き届かなかったことは反省すべき」
協議会では宿泊プランの更新や物価上昇による予算の見直しなどが必要と報告されました。
※有村純頼さんの「頼」は、束に刀貝







