鹿児島市街地と桜島を結ぶ桜島フェリーです。コスト削減のため、去年4月、5隻から4隻に減らし、運航間隔も15分から20分へと減便しました。

(桜島在住・通勤で利用 会社員50代)「便数が減ったことは不便。親を夜、病院に連れていくときも救急車で運ばれるときも、便数が少なければ時間もかかるのではないかと不安になる」

(桜島在住・買い物や通勤で利用 70代)「自分たちの足。フェリーがないとほかに行けない」

(桜島在住・通学で利用 専門学校1年)「やっぱり桜島が好き。両親も実家が桜島。出たくないという思いはある。(フェリーは)ないと困る。大切」

市議会は去年、市当局のダイヤ変更を認めた上で、「運航体制の見直しはサービスの低下にもつながりかねない」と懸念の声を上げました。

ただ、桜島フェリーは2015年度から赤字が続き、2022年度は3億5185万円でした。今年7月には運賃の値上げを予定していますが、燃料費の高騰などで維持費がかかり、経営改善は見通せないといいます。

(鹿児島市船舶局 渡辺真一郎次長)「運賃改定だけで黒字化は図れない。交通事業は人口減少の中で利用者が減っていくので、維持していくのは難しい」

フェリーと「あいばす」に加え、市電や市バスもあわせると赤字は7億3000万円以上に上り、市の職員からも、「難しい」という声が上がる交通ネットワークの維持。
桜島や、あいばすが運行されている喜入や松元、吉田、郡山をあわせた「旧5町」は2004年、鹿児島市と合併しましたが、今回の市議選で桜島と喜入からの立候補はいません。

MBCのアンケートでは「市議会議員がいない地域からは市政に声が届きにくい」という声も上がっています。

Q.地元の議員がいたらいいなと思うことはある?

(あいばす利用者 70代)「いなければ(あいばすは)廃止になる可能性もある」

(桜島フェリー利用者 50代)「声を聞いてくれる議員もいるが、それがどこまで市議会で議論されるかによる」

厳しい財政状況の中、交通インフラへの市民サービスの質をどう確保していくのか。「市民の代弁者」として市当局と議論を交わす議員の存在意義が問われることになります。

市議会議員選挙の投票日は14日・日曜日。選挙戦は11日から後半戦に入ります。