高知県中土佐町に昔から伝わる民話のアニメが完成し中土佐町で披露されました。タイトルは「海に沈んだ鬼」です。

このアニメは、日本財団の「海と日本プロジェクト」の一環で、海と関わりのある地域の民話をアニメにして後世に残そうと2018年度から取り組んでいます。監督は人気アニメのプロデューサーを務めたこともある沼田心之介さん。

これまでに数々の日本の昔話をテーマにしたアニメを制作してきました。去年4月に制作を開始したアニメが完成したことを受けて29日、舞台となった中土佐町で池田洋光町長や役場の職員にアニメが披露されました。

タイトルは「海に沈んだ鬼」。久礼の山奥に住む鬼の親子が嵐に困っている漁村の人たちを助けようと奮闘する物語です。

(沼田心之介 監督)
「こういった素晴らしい話が、このまちに伝わっているということをほかのまちや日本全国、ほかの場所にも、うちのまちにはこういうお話があると発信してほしい」

沼田監督は去年、実際に物語に出てくる双名島を訪れたほか町民に民話について聞き込みを行ってきました。その中で「鬼の親子の愛情を大切にしてほしい」といった意見が多くあがったといいます。

(沼田心之介 監督)
「特に鬼のイメージであったりとか、鬼は普通怖いものですけれど、この話は、まちを守る鬼なので優しい鬼、鬼の親子の愛情のところをちゃんと表現しようと思いました」

(中土佐町 池田洋光 町長)
「今回のアニメを見て改めて人のつながり、絆、そういった人間の大事なところをしっかりと表現している。アニメは日本の宝ですし、小さなお子さんからお年寄りまでみんなが共感できる楽しめる素晴らしい作品ができた」

「海に沈んだ鬼」は「海ノ民話のまちプロジェクト」のサイトで30日から公開されるほか中土佐町では町役場のモニターや町内の図書館で見られるよう調整を進めています。