3月22日、高知市で1台の「おもちゃのピアノ」が主役のコンサートと朗読劇が開催されました。 演奏者は、愛媛県出身のトイピアニスト・畑奉枝さん(62)。彼女が奏でる優しくどこか懐かしい音色には、病によって一度は壊れかけた兄との絆を取り戻すまでの、深い物語が込められていました。
「暴言・暴力、そして疎外感」兄の病で生じた深い溝
幼少期、畑さんと3歳上の兄は、共にピアノを習う仲の良い兄妹でした。しかし、その穏やかな時間は、兄の高校時代に突如として断絶されます。兄に告げられた診断名は「統合失調症」。こころや考えがまとまりにくくなるその病は、優しかった兄を別人に変えてしまいました。

▼畑奉枝さん
「病気によって(兄からの)暴言暴力であったり、そこに両親がかかりきりになっちゃうとことで私自身はどうなるのみたいな疎外感があったりとか、(当時は)気持ちの処理ができなかった」
そこから始まった、長い空白の時間。ピアノは二人をつなぐ共通の趣味から、苦しい記憶を呼び起こす象徴へと変わってしまいました。










