カーボンニュートラルやDX化など、松山空港で新たな取り組みが始まっています。県内で初めてとなるCO2を食べる自動販売機、そしてまるでSF映画のような同時翻訳システムが登場しました。
(山下アナ)
「こちらにある自動販売機、一見ただの自販機に見えますが、CO2を食べていますと書かれています。一体どういうことでしょうか」
この自動販売機は、松山空港の1階ロビーに先月27日に設置されました。
(山下アナ)
「この自販機の中に、CO2を食べる何か秘密のものがあるということですか」
(アサヒ飲料中四国支社・高橋一也さん)
「こちらの中のほうに秘密がある」
ということで、特別に中を見せてもらいました。
(アサヒ飲料中四国支社・高橋一也さん)
「こちらの中に吸収剤を入れていて、空気を吸い上げるところに置くことによって、空気を吸うと同時に、二酸化炭素を吸い上げるという仕組みになっている」
自動販売機は、周囲の空気を取り込むことで商品の飲料を冷やしたり温めたりしています。
通気口に特殊な吸収剤を設置した「CO2を食べる自販機」は、装置が排出するCO2のおよそ2割を吸収することができるそう。
回収されたCO2は、肥料やコンクリートの原料などに活用されるということです。
(アサヒ飲料中四国支社・高橋一也さん)
「カーボンニュートラル、持続可能な循環型社会を目指していて、自動販売機で何かできることはないかということで、CO2を食べる自動販売機を通してみなさんで社会貢献できる取り組みを目指した」
松山空港に県内で初めてお目見えした自動販売機。こちらの飲料メーカーでは、2030年に、全国で5万台まで増やす方針です。
一方、こちらは…透明なディスプレイに、話した言葉が瞬時に表示される、いわば自動翻訳システムです。
今年1月から導入されたこのリアルタイム音声認識システム「YYSystem」は、AIが会話をすぐさま翻訳し、コミュニケーションを補助する優れものです。
(松山空港ビル・企画営業部・河野洋生さん)
「お客様が落とし物をされた際に、何を落としたのかなど適切に対応することができるようになった。我々の伝えたい言葉がスムーズに伝わるようになった」
このディスプレイは業務DX化の一環として、総合案内所のほか国際線の免税売店と派出所の3ヶ所に設置されています。
(松山空港ビル・企画営業部・河野洋生さん)
「多用な国籍のお客様と円滑で柔軟ななコミュニケーションをとっていきたい」
担当者は「言語のバリアフリー」化に繋がればと期待を寄せます。
好調なインバウンドの波に乗る愛媛の空の玄関口で始まった新たな取り組み。訪れる人たちにはどのように映るでしょう。