愛媛県内の自治体トップの中で最年少、31歳の町長誕生です。26日投票が行われた任期満了に伴う砥部町長選挙は、元アナウンサーの古谷崇洋氏が、前の副町長(62)を大差で破り、初当選を果たしました。

12年ぶりの選挙戦で、新人同士の一騎打ちの戦いとなった砥部町長選挙は、元アナウンサーの古谷崇洋氏が、前副町長の岡田洋志氏をおよそ3200票差で破り初当選を果しました。

古谷氏は砥部町出身の31歳。南海放送アナウンサーを経て、コンサルタント会社で地方創生に携わりました。

去年11月に出馬を表明し、座談会などを通じて支援の輪を広げる草の根の運動を展開。人口減少など町を取り巻く厳しい環境に向き合うため、町政の変革を訴えました。

古谷氏
「びっくりするような票数になりましたというところで、これだけ多くの方がこれからの砥部町、未来や可能性を信じてくださったんだと、まだまだ未熟な私にその可能性を託してくださったんだというところに強い責任を感じています。これからの時代は、はっきり言います、厳しい時代です。しんどい時代です。でも町のリーダーたる私は、その厳しさから絶対に目をそらしません。目をそらした先に砥部町の新しい未来なんてないんです。しっかりと向き合って立ち向かってその大波を越えていく」

「地盤も無く政党や団体の支援も無く、手探りの選挙だった」と振り返った古谷氏。

記者から勝因について聞かれると、次のように分析しました。

古谷氏
「対話が1つの争点だっただろうと思っている。対話と説明ですね。まず町民の意見や困りごとをしっかりと聞くということが、今の町政においてできていたのか。今の砥部町の厳しさであったり難しさを、しっかり町民の皆さんにご理解いただくまで説明できていたのかというところ。オープンな町にしたいなと思っている」

一方、敗れた前副町長の岡田洋志氏は…。

岡田氏
「私の準備不足、努力不足、力不足によって吉報をお届けできなかったこと、大変申し訳なく、皆さんに謝っても謝り切れない結果となりました。本当に申し訳ございませんでした。この砥部町がこれから分断せず、ワンチームで、リーダーが変われど町に対する思いは皆さん一緒だと思っています」

岡田氏は、今期で退任する佐川秀紀町長や各団体などから支援を受け、豊富な行政経験や人脈をアピールしましたが、古谷氏の勢いに対抗できませんでした。

投票率は66.60%と、12年前の前回をわずかに下回りました。