温泉施設の従業員の男性がクマに襲われたとみられる岩手県北上市で新たな動きです。
17日施設近くの山林で身元不明の遺体が見つかり、その近くでクマ1頭が駆除されました。

(記者リポート)
「こちらが16日に男性が行方不明となった温泉施設です。現在警察と猟友会が集まっていて、これから2日目の捜索が始まろうとしています」

行方が分からなくなっているのは、北上市和賀町の瀬美温泉の60歳の男性従業員です。

この男性従業員は16日午前10時から1人で露天風呂の清掃をしていたところ行方が分からなくなり、施設が警察に通報しました。露天風呂には血痕やクマのものとみられる毛があり、現場の状況などから警察はクマに襲われ連れ去られた可能性が高いとみています。

警察によりますと17日の捜索で午前9時すぎ、露天風呂の下を流れる川を渡った先で身元不明の1人の遺体を見つけました。
またその近くにいた体長およそ1.5メートルの成獣のクマ1頭を猟友会が駆除したということです。
遺体は顔や衣服を損傷していて、警察が行方不明の男性かどうかを調べています。


(八重樫浩文北上市長)
「危機感は持っている。クマから襲ったという点では、川の横とはいえ深刻な事態だと思っている」

13日にはこの温泉施設の露天風呂に入っていた宿泊客がクマを目撃していて、市は爆竹などを使った追い払いの対策を施設に依頼したものの、実際に対策が取られたかは分からないということです。

現場近くの山林では8日にキノコ採りの男性がクマに襲われて死亡していて、市はDNA鑑定による同一個体による被害かどうかの確認を進めるとしています。