よく山に登る人でもなかなか出会えないということから「山の妖精」とも呼ばれるイタチ科の小動物、オコジョの写真を集めた展示会が岩手県雫石町で行われています。

オコジョは体長20センチほどのイタチ科の小動物です。
大きな目が何とも愛らしいです。
会場となる網張ビジターセンターには奥州市在住の山岳カメラマン、細川敬次さんが撮影したオコジョを中心とした写真、約20点が並んでいます。

細川さんは登山歴50年以上。年に50回から60回ぐらいのペースで岩手山、八幡平、早池峰山などの山に登り続けてきました。
2020年に秋田県の鳥海山を登っている時、オコジョと初めて会った細川さん。
岩陰から顔をのぞかせ、細川さんを見つめる愛らしい姿にすっかり魅せられてしまいました。
以来、オコジョの姿を求め、カメラを担いで山に登る日々が続きます。

「見つけるのが難しい」「出会えたらラッキー」と言われるオコジョですが、早池峰山で出会ったオコジョは自分から細川さんに近づき、15分ぐらいまとわりつきました。

何とも至福のひと時ですが、細川さんは「オコジョは自分より大きなウサギを捕まえて食べることもある肉食動物。もしかして、自分を獲物と見ているのではないか?」と気づき、カメラを構えながら少し緊張したといいます。

「それでも、撮った写真を見返すとかわいいんですよね」と微笑みます。
最近、関東や関西から来て、岩手の山に登っている人に出会った時にはオコジョの写真をプレゼントし、「この山にもいるんですよ」と教えているそうです。
皆、喜んで写真を受け取ってくれるとか。

オコジョに会いに山に行くという楽しみを見つけた細川さん。
「これからも写真を撮り続けていきます」と語っています。

この写真展は10月31日(金)まで、雫石町の網張ビジターセンターで行われています。