27日に投開票が行われる衆院選と参院補選の候補者の戦いぶりを伝えるシリーズ「衆参ダブル選・候補者を追う」。
最終回は世代交代か政権交代の実現か、与野党前職による激しい一騎打ちの衆院岩手3区です。

(藤原崇氏)
「おはようございます、いってらっしゃい」

選挙戦唯一の日曜日の朝、自民党の前職、藤原崇氏は敵のおひざ元、岩手県奥州市で運動をスタートさせました。
野党優位の続く岩手県政界にあって、与党が選挙区初の勝利を収めてから3年、取り巻く状況は一変しました。

(藤原崇氏)
「一連の政治と政治資金の問題で政治に対する信頼を大きく傷つけてしまったということ、そして私も一人の当事者であったということ、このことについて改めて心よりおわびを申し上げたいと思います」

演説は派閥の裏金問題に関する謝罪から始まります。
裏金問題を巡って、比例代表との重複立候補が認められず、「背水の陣」で選挙区での戦いに臨みます。

(藤原崇氏)
「一つけじめを付けるということは大事なのでそこはしっかりやるっていうのは大事なことなので」

加えて広瀬めぐみ元参院議員の詐欺罪による在宅起訴や、自らが出席した若手議員の懇親会で不適切な行為があった責任を取り、党の青年局長を退き、有権者から厳しい目が注がれています。
こうした逆風の中、昼食の休憩もそこそこに持続可能な中山間地の振興策といった政策を、精力的に街頭演説で訴えています。
その上で前回も掲げた「世代交代」を強調しています。
SNSや新聞広告で藤原氏の倍の年齢である相手を意識したキャッチフレーズで、有権者に選択を迫っています。

(藤原崇氏)
「選対で協議して決めているんですけど、ただ間違いがないことはこれからの時代を担っていくのはわれわれの世代ですし、われわれの世代が未来を変えていく義務を負っている」
(支持者は)
「若い力で、われわれは年寄りなんですけどぜひ今回の戦いには勝ってもらわないと困るんですよ」

小選挙区で勝てなければ即敗北の崖っぷち。
前回手にした議席死守へラストスパートをかけます。

(小沢一郎氏と支持者)
「同級生も元気だったか」

公示の翌日、出身地の奥州市に立憲民主党の前職、小沢一郎氏の姿がありました。
お国入りの第一声で政治家としての集大成に向けて意気込みを語ります。

(小沢一郎氏)
「なんとしても私のこの政治生活の中でもう一度、3度目の政権交代を実現してそして次の世代に譲りたい」

自らが関わった1993年の細川護熙政権、2009年の民主党政権に続く非自民政権誕生へ。
そして、小選挙区の議席を奪還するため、公示から3日後の土曜日と日曜日、2日間にわたって選挙区入りしました。
前半戦で3度も地元を遊説するのは異例なことです。

(支持者は)
「今回はもうばっちり大丈夫かなと思ってますぜひ比例じゃなくて選挙区から出てほしい」

街頭演説を行ったそれぞれの場所で支持者と小まめに握手をして支持を訴えます。

「ありがたいねこうして荒れた所に来てくれた」

20日には参院補選の党公認候補と達増拓也岩手県知事が駆けつけました。
知事自身、小沢氏の応援のマイクを握るのは就任以来今回が初めてです。

(達増知事)
「与野党を通じ世直しをしていくためには小沢一郎さんが必要ということが今見えてきているのではないでしょうか」
(小沢一郎氏)
「今回の選挙ね本当に大変です前回も皆さんも大変厳しい批判を浴びました。最後までご支援賜わりますよう心から重ねてお願いしてごあいさつといたします。どうぞよろしくお願いします」

逆風の与党に対して、悲願の政権交代の実現と選挙区議席の奪還へ陣営は気を引き締めています。

旧岩手4区時代から数えて5度目となる因縁の対決。
求められているのは世代交代か政権交代の実現か。
投開票の行われる27日に有権者の審判が下ります。