分析をこれからの対策に生かすには
対策の強みになるDNAですが、すべての現場にフンや毛が残っているわけではありません。見つかったとしても、フンや毛が古い場合などDNAを採取できない場合もあります。
DNAだけで考えるわけではなく、そのときの社会や環境の状態などさまざまな要因が影響するため、出没が続いている最中は、市の担当者や専門家らが「現場の感覚」で予想を立てて動き、DNAは後から答え合わせに使います。
そうした現場経験やデータが蓄積されるにつれて、市の担当者や専門家は、「ある程度、クマの出没予報ができるのでは」と考えるようになりました。
2025年秋の大量出没も、そうなるのではという予感があったといいます。
実際に大量出没が起きたことで、「もっと予報をうまく伝えて、注意喚起に役立てられないか」と考えるようになりました。しかし、行政が発表する公式情報としては、現場の感覚を反映した予報をどう説明していいのかというハードルがあります。
天気予報のように、暮らしと命を守るための情報発信ができないだろうか。
その思いに共感し、HBCとしてできることがないだろうかと、今回の取材を企画しました。
過去の出没のデータが、今後の対策に役立つ。ということは、2026年のクマ予報のためには、2025年の大量出没がなぜ起きたのかがカギになります。続きは次回の記事でお伝えします。
取材協力:札幌市環境共生担当課・坂田一人さん、清尾崇さん、NPO法人EnVision環境保全事務所・早稲田宏一さん、中村秀次さん
天気表現の監修協力:HBCウェザーセンター・近藤肇気象予報士
文:Sitakke編集部IKU
ドキュメンタリー映画『劇場版 クマと民主主義』監督。2018年にHBCに入社し、報道記者として取材した島牧村をきっかけに、人にできるクマ対策はたくさんの選択肢があることを知る。「Sitakke」や「クマここ」の運営、放送やイベントなどを通じて取材・発信に取り組んでいる。
※掲載の内容は取材時(2026年3~4月)の情報に基づきます。







