2025年、全国でクマによる人身被害が相次いだ一方で、駆除した後のクマの処理も大きな課題となっています。

微生物の力で死骸を丸ごと分解する画期的なシステムが注目されています。

2025年、全国で相次いだクマの出没。
死傷者は全国で230人に上り、北海道でも2人が亡くなりました。

2025年7月、新聞配達員の男性がクマに襲われて死亡した北海道南部の福島町。
駆除されたクマは郊外の建物に運ばれました。

麻原衣桜 記者
「町内にあるこちらの施設では、北海道で唯一、駆除したクマなどを微生物を使って減容化し処理しています」

「減容化処理施設」です。
「減容化」とは文字通り「容量を減らす」こと。
施設には、駆除した動物の死骸を跡形もなく処理できるシステムがあります。

その仕組みはこうです。

駆除した動物を入れたタンクの中に、微生物を付着させたチップと水を混ぜ、温度を80度ほどに高めます。

微生物が活発に働くことで動物の肉は、わずか1日で、骨や皮は1週間ほどで分解され、ほとんどが水や二酸化炭素として排出されます。

一般的に、駆除されたクマやシカは、ハンター自らが地元の施設で処理できる大きさに解体して焼却されます。

一方で、北海道南部では野生動物による農業被害が後を絶たず駆除の要請が増えるなか、ハンターらは解体に時間を取られ、捕獲が滞ることが課題になっていました。

地元ハンター
「解体する時間が膨大にかかる『本当は10センチ角ぐらいにしてくれるのが望ましいですね』って言われてえらいことだなと」

福島町は2024年、約1億円を投じ、北海道で初めてこのシステムを導入しました。

2024年、クマの捕獲が大幅に増え焼却処理が滞った北海道南部では、クマを素早く処理できるこのシステムが威力を発揮しました。

福島町 鳴海清春 町長
「福島町が先行していまは管理していますけど、将来的には増やす段階で4町(福島町・松前町・知内町・木古内町)で管理できればという思いを持っている」

悲惨な事故を二度と繰り返さないために、最新の技術で住民の安全確保を図ります。