湖の水位によって姿を現わしたり、消したりする十勝の上士幌町の「タウシュベツ川橋梁」
秋が深まるなかこの「幻の橋」を巡るツアーに同行しました。

黄色く色づいた林の中を、落ち葉を踏みしめながら進みます。
目指すのは、北海道上士幌町の糠平湖にたたずむ「タウシュベツ川橋梁」です。

連休中日の12日、穏やかな湖面には橋の半分がうつる「めがね橋」が見られました。

周辺の紅葉も見ごろを迎え、湖面はその姿も映し出します。

タウシュベツ川橋梁は、80年以上前に造られた旧国鉄・士幌線の鉄道橋のひとつです。

人工の湖である糠平湖が季節によって水位が変わり、姿が見え隠れするため「幻の橋」と呼ばれています。

(韓国から)
「本当にきれい、紅葉もあるしめがね橋も見られたし、超ラッキー」

ひがし大雪自然ガイドセンター 上村潤也さん
「来年4月の雪解けくらいに、真ん中の6つ目のアーチが崩れるのでは。そこが心配です」

激しく朽ちていく橋。
「いつか見られなくなってしまうのではないか」というはかなさが人々をひきつけます。

(東京から)
「はかないけれど力強さも感じて何度でも見たくなる」

湖畔の林道が通行止めとなるため、この紅葉と橋を楽しめる秋のツアーは13日が最終日です。
今度、近くで橋を臨めるのは年明けの冬のツアーです。

ひがし大雪自然ガイドセンター 上村潤也さん
「天気がいいと、氷のバリエーションが豊富で、どこを切り取っても絵になる」

老朽化と風化で「滅びゆく美しさ」が魅力のタウシュベツ川橋梁。
まもなくやって来る冬には、また違った表情を見せてくれます。