■伊藤大海は“エース”なのか?
名実ともに球界を代表する投手となったチームの顔に去年の夏、HBCはこんな約束をしていました。
担当記者(去年7月)
「ずばり聞きます。伊藤投手はエースですか」
伊藤大海投手
「じゃないですね。僕の理想とするエース像とはまだかけ離れているというか…」
「頑張ります。近いうちにインタビューされるように頑張ります」
あのインタビューから9か月…。再び同じ質問をぶつけてみました。
担当記者(今年4月)
「伊藤投手はエースですか」
伊藤大海投手
「変わらないですね、変わらないですし、多分引退するときに聞かれても1回も(エースに)なっていなかったと言います」
担当記者
「野球中継で『きょうの先発はファイターズのエース伊藤大海です』という紹介はちょっと違う?」

伊藤大海投手
「周りが言ってくれる分にはすごく嬉しい。チームメイトもそういう風に感じてくれているのはもちろん嬉しいですが、今のファイターズは誰が投げても核になりうる状況なので、ゲームを支配している人がエースだと思うので、その中でもやっぱり頭1つ抜けた存在になりたい」
伊藤投手にとっての今シーズン初陣は、1日のホーム開幕戦でした。

期待と注目…。それに責任も背負うマウンドでしたが、まさかの5回5失点…。黒星スタートとなった試合後、今も憧れるあの投手から連絡があったことを明かしてくれました。

伊藤大海投手(4月今季初戦で敗戦となった直後)
「開幕戦で負けた直後に、ダルビッシュ有さんが連絡してくれた。『2011年の開幕戦で自分も7失点ぐらいしている、だから大丈夫だよ』とラインをくれました。その後のダルビッシュさんの登板を見たら、毎試合8回、9回、9回、8回と投げていたので、これはエースだなと。ゲームを支配できる、最後まで投げ抜く力を持っている、これが真のエースだなと思いました。エースという言葉がどんな意味を持っているのか、自分の中でを探求し続けるのもすごく楽しいです」
理想とするエース像に近づくために。伊藤投手は右腕を振り続けます。