◆桂田社長の過失について
内田健太弁護士
一般論として、従業員の事故について社長が責任を負うケースは少ない。例えばタクシー会社でドライバーが事故を起こして、社長が個人的に責任を負うことはない。

一般論を前提に、“条件付き運航”という判断を社長が止めなかったことが不合理だということを、どれだけ立証できるか。

そもそも運航基準に“条件付き運航”なんて許されないという事情、あるいは船長の経験、知識に照らして「この船長に安全な判断を期待することはできない」という事情、こういった事情を原告は積み重ねて判断が不合理だということを立証できるかがポイントだと思います。

◆桂田被告が15億円を支払えない場合
内田健太弁護士
この種の場合、保険に入っているケースがある。賠償保険があればそこで填補される可能性がある。保険に入っていないと個人の資産を差し押さえていくことになるため、原告が裁判で判決を勝ち取っても、賠償の実現にはもう一段改ハードルがあるという印象です。

堀啓知キャスター
桂田社長は、業務上過失致死の罪ですでに起訴されていますが、刑事裁判の日程は決まっていません。今回の民事裁判とどう絡んでいくのでしょうか?