5年ほど前から人気の「携帯扇風機」が、思わぬ事故を起こす可能性があります。
「灯油と同じレベル」の燃える物質が入っているのです。

数百円から購入できる、携帯扇風機。リチウムイオン電池が内蔵されていて、繰り返し充電でき、一度の充電で、長時間使用できるメリットがありますが…

たとえば、取り出す際に、地面に落としてしまい、そのまま使用すると、リチウムイオン電池は、温度の制御ができなくなり、破裂する危険があるのです。

映像提供:nite


また、踏まれるなど、強い力が加わった場合には…破裂音とともに白煙が上がり、燃え上がりました。

映像提供:nite
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壊れたからと言って、そのままごみ箱へ捨てると、回収後に火災につながってしまうケースも。北海道でも、危うい事例が起きています。


ことし7月、室蘭のごみ処理施設「メルトタワー21」で、火災が起きました。
火災の爪跡が残る、施設内のクレーン操作室。目の前の、ごみピットから火の手が上がりました。


出火の原因は、特定できていませんが、リチウムイオン電池がからんでいた可能性が指摘されています。


過去に発火したときの燃えがらには、掃除機の充電パックや、電子タバコが…。施設では、燃えない素材を粉砕して処理します。
灯油と同じレベルの可燃性の電解液が入っているリチウムイオン電池が混入していると、発火の恐れがあるのです。
2019年4月に起きた、粉砕物搬送コンベアの出火の動画を見せてもらいました。左隅で火が上がっています。


粉砕機やコンベアの上には、スプリンクラーを設置。火災を防ぐ対策をとっています。そのスプリンクラーが作動したのは、2017年度は15件。しかし、この数年で急増していて、昨年度は119件と8倍ほどに。およそ8割の確率で、リチウムイオン電池など充電式電池の燃え殻が見つかっているということです。


実際に火災を引き起こす要因になっている、リチウムイオン電池が入った製品。大きな火災につながるリスクを知った上で、使い方や、捨て方に注意が必要です。