連日、ニュースで被害額の大きさをお伝えしているのがSNS型の投資詐欺事件です。どんな手口に、なぜ騙されてしまうのか、札幌の被害者が語りました。
札幌南警察署で、投資詐欺の恐ろしさを札幌に暮らす60代の男性が語りました。
■《奪われた老後の資金》
被害にあった60代男性
「今はやりくりを考えています。ショックは大きいですよ。ほとんどの貯金を使ってしまったので残念ですね」
被害を受けたのは、老後のための資金、約3000万円です。きっかけは、去年12月28日。インターネットの語学サイトで出会った女性でした。
◇《語学サイトで知り合った女性からの誘い》
女性は、中国出身で“韓国籍”だと名乗りました。雑談を繰り返す中で、女性から「簡単だからやってみない?」と持ち掛けかけられたのが、ネットの商品売買の儲け話でした。
その直後、サイトのURLが送られてきました。
被害にあった60代男性
「ちょっとぐらい遊んでみようかなって思って、自分のほうからインターネットのサイトに遊びに行った」
◇《ネットの商品売買で15%分の儲けと誘われる》
女性が持ち掛けてきた“ネットの商品売買”とは、こんな仕組みだったといいます。
まず『高級ブランドのバッグ』や『ほ乳瓶』などを、販売価格の15パーセント引きで商品を仕入れます。そして、それらの商品が、販売価格で売れると、仕入れた人に、15パーセント分の儲けが出るというものです。
そもそも被害に遭った男性は、どうして信用してしまったのでしょうか。
◇《振り込まれた“100ドル”で相手を信用》
相手の話を信じてしまったきっかけは“3万ドルの利益があった”と伝えられた際、男性の口座に100ドル=約1万5000円が、実際に振り込まれたためでした。
被害にあった60代男性
「途中で“100ドルおろせますか?”と訊いたら“おろせる”というので100ドルだけおろしてみたんです」「1か月で3万ドル、4万ドルの利益が入ってきたら、それは楽だよね(と思った)」

結局、去年12月29日から今月14日までのわずか17日間で、男性は約2940万円を、相手から指定された口座に振り込んでしまったのです。