みなさんは一日中、立ちっぱなしで働いた経験はありますか?辛い立ち仕事を、少しでも楽にしようという取り組みが始まっています。

レジを打つ「ピッピッ」という音が聞こえてくる、見慣れたスーパーの店内。でも、そこに居る店員さんの姿をよく見てみると…。

藤田忠士記者
「いま、客の会計が終わったところです…座りました、座りました!こういう感じなんですね。私、初めて見ました」

店員
「やっぱり足に負担がかかる。ずっと立っていると、むくんだりするので…」


なんと、レジには、店員用のイスが用意されていました。立ち仕事であっても、イスに座れる…そんな時代がやって来るかもしれません。

アルバイト情報サイト『マイナビバイト』では、去年、立ち仕事にイスを導入しよう!と呼びかけるプロジェクトをスタート。こんな映像も公開しています。

父「そういえばさっき、レジの人、椅子に座ってたな」

娘「別に普通じゃない。いいことじゃん」

父「普通かもな」

ナレーション:“座ってイイッス プロジェクト”始まってます…。

『マイナビバイト』が、立ち仕事をするパートやアルバイトを対象にアンケート調査を実施。イスに座れないことの影響を聞いたところ「集中力が落ちてミスが起きた」「笑顔で接客できなくなった」という回答のほか、「辞めたいと考えるようになった」という声もありました。

企業側も、働きやすい職場環境を作ろうと、これまでに全国199社がプロジェクトに参加しました。プロジェクトに参加した企業のの1つ、道南ラルズが運営する、函館の『スーパーアークス戸倉店』です。

去年10月、店のリニューアルにあわせて、試験的にレジにイスを導入しました。レジを打つ時は、これまで通り、立っていますが、客が途切れるとイスに座ります。

店員
「普段は、ちょっと座っていいよと、会社から言ってもらっているので、だいぶ足も楽になりました」


“座ってイイッスプロジェクト”がデザインしたイスは。小さな座面に浅く腰掛ける形で、立ち上がる時もラクラクです。イスの導入を、買い物客はどう見ているのでしょうか。

買い物客
「座っているのはいい。何とも思わない。違和感ないです」


以前、レジの仕事をしていたという女性は、自身の体験を重ねて、こう話します。

買い物客
「ちょっと腰掛ける所があればな…と昔思っていた。今そういうのが出来て、うらやましい」


イスがあることで、長く働いてもらえることを、店側は期待しています。

スーパーアークス戸倉店 金濵泰明 店長
「膝が痛い、腰が痛い、立ちっ放しはきついと、退職する人が結構いましたので、今回、イスが導入されて(職場環境が)すごくよくなったかなと思います」


道南ラルズでは、今年4月から、さらにもう1店舗で、イスを導入する予定です。