去年7月、札幌市の歓楽街ススキノのホテルで、当時62歳の男性が殺害されて首を切断された事件で、逮捕・起訴された親子3人のうち、死体遺棄ほう助などの罪に問われている母親の浩子被告62歳の裁判が20日、札幌地裁で開かれました。
これまでの裁判では、検察側が『両親は、娘の瑠奈被告に支配される家族関係で、犯行を知っていたが止められず手助けした』と主張。
一方、弁護側は『犯行自体を知らず、手助けする意思はなかった』と主張していました。

20日は、すでに保釈されている修被告が黒いスーツ姿で証言台に立ち、娘の瑠奈被告について「何を考えていて、何を望んでいるかは、今もほとんどわからない」と証言しました。
《瑠奈被告ら3人が問われている罪》
札幌市の歓楽街ススキノのホテルで、当時62歳の男性が殺害されて首を切断、頭部を持ち去られたこの事件。起訴状などによりますと、札幌市厚別区の無職、田村瑠奈(るな)被告30歳、父親で精神科医の修被告60歳、それに母親で無職の浩子被告61歳の親子3人は、それぞれ以下の罪に問われています。

■田村瑠奈被告=殺人、死体損壊、死体領得、死体遺棄
・被害男性の首を、刃渡り約8.2センチの折りたたみナイフで何度も刺して殺害
・殺害後、ノコギリなどで首を切断
・頭部をキャリーケースに隠し、修被告が運転する車に乗って自宅まで運ぶ
・刃物などで皮膚を剥ぎ取り、眼球などを摘出
・その様子をビデオ撮影することを企て、浩子被告に依頼
■父親の修被告=殺人ほう助、死体損壊ほう助、死体領得ほう助、死体遺棄ほう助
・殺害目的などを知りながら、ノコギリ2本、キャリーケースなど12点を購入して瑠奈被告に渡す
・犯行後の瑠奈被告を自宅まで運び、男性の頭部を隠すことを容認
・浩子被告を介して頭部損壊の様子のビデオ撮影の依頼を受け、実行
■母親の浩子被告=死体遺棄ほう助、死体損壊ほう助
・被害男性の頭部を瑠奈被告が自宅に隠すことを容認
・瑠奈被告から頭部損壊の様子のビデオ撮影を求められて容認、修被告に実行を依頼