確かに、身のまわりで事故が相次ぐと、とても気になります。

依頼人(あーさん・40代・札幌在住)
「近所の交差点で交通事故が頻発していて怖いです。調査してください」

 最近、依頼人の家の近所で、交通事故が2件、相次いで起きているという。確かに気になる。1件目は、7月15日の夕方の交通事故。
場所は、札幌市東区北27条東1丁目の交差点だ。乗用車同士が出会い頭に衝突。一方のクルマにのっていた80代の男性が死亡したという。

依頼人(あーさん・40代・札幌在住)
「一方通行の道で建物があったりだとか、交差点が見えるミラーが付いているが見づらい」

 2件目は、9月7日の朝、東区北26条東3丁目の交差点。7月に事故があった場所から、東に130メートルの地点だ。

近所の住民
「7時半から8時ちょっと前に、通ろうとしたら消防車が止まっていた」

近所住民によると、車両同士がぶつかり、1人が病院に運ばれたという。

依頼人(あーさん・40代・札幌在住)
「朝は通学路になっていたりするので危険だなと」

 調査員は、さっそく現場に向かい、周辺を調査。すると、2件目の事故が起きた交差点の、東にさらに130メートルほどの場所で、とても「気になる交差点」を見つけた。

調査員
「見てください!あちらに赤い物が見えているんですがほとんど標識とは分からない状況です」

 交差点には、一時停止をうながす「止まれ」の標識が設置されている。しかし、その手前に大きな街路樹が立っていて、その木の枝が、標識をスッポリと覆い隠しているのだ。

 実際、車で走ってみると・・・。

調査員
「今、止まれの標識が見えました!運転していると、突然、標識が現れる感覚です」

調査員が標識を確認してブレーキを踏み始めた地点は、停止線の手前、およそ9メートル。

一方、制限速度の時速40キロで、1秒間に進む距離は11.1メートルなので、交差点の手前1秒を切って、初めて標識が見えるのだ。

近所の住民
「おじいちゃんの車が来て、本当に危なかったことはあります」
「子どもたちが通りますんで・・・学校も近いですし危険ですよね」

 交差点の周辺には、小学校や中学校、高校などがあり、通学時間には、多くの子どもたちが通っている。しかし、この道路を走る車の多くは…。

調査員
「車は停止線で止まらずに、横断歩道に入っていきます」

交差点を通過する、ほとんどの車が停止線で止まっていない。

依頼人(あーさん・40代・札幌在住)
「そのまま一時停止がないと思って法定速度内で真っすぐ突っ切ってしまう人が多くいる」

 一時停止違反の反則点数は2点、反則金は普通車の場合7000円だ。しかし、道路の標識が見えないと、こんなケースも…。

札幌みなみ法律事務所 磯田真士弁護士
「実際に見づらいとか通常分からないでしょうという場合に、このような規制は無効だという判断がされた判例があります」

なんと!標識が見づらいからといって処分が取り消されたケースも!

札幌みなみ法律事務所 磯田真士弁護士
「道路交通法の施行令で見えやすいように設置しなければならないと設置基準が定められています。公安委員会が基準に従って見えやすく設置しないとけないと法で決められていることになります」

 実は法律で道路標識は見やすく設置しないといけないと決められているのだ。

札幌みなみ法律事務所 磯田真士弁護士
「道路交通法違反が成立しないということになると、道路交通法上の罰則罰金など犯罪が成立しないということになりますし、免許取り消しとか免許停止、さらには点数制度のところについても適用を免れるということになります」

 さらに、冒頭で紹介した2件目の事故が起きた交差点も、場所によって標識が見えにくくなっていることがわかった。

調査員
「こちらの交差点も木の枝で止まれの標識が非常にに見にくいです」

標識が見えにくかったことと、先週の事故との因果関係はわからない。しかし、この先、何かあっては大変だ。街路樹を管理する札幌市を直撃した。

札幌市みどりの管理課 与那覇政史課長
「剪定については、今のところ予定はありません」

道路脇の街路樹で、交差点の「止まれ」の標識が見えない。早速、街路樹を管理する札幌市を直撃した。

調査員
「北27条東4丁目辺りは、いつ剪定した?」

札幌市みどりの管理課 与那覇政史課長
「今から4年前に剪定している」

調査員
「今後の予定は何かある?」

札幌市みどりの管理課 与那覇政史課長
「剪定については、今のところ予定はありません」

 街路樹は、各区の土木センターが定期的に巡回。問題がある場合は、枝葉の剪定を行っているという。しかし、この現場の剪定は行っていなかった。

そこで、現場の写真を見てもらうと…。

調査員
「実際に写真を見ると、ココに標識があって、これくらい近づいてようやくこれくらい見えてきて、これくらいになって、やっと止まれが見えるっていう状況なんですけど」

札幌市みどりの管理課 与那覇政史課長
「ご指摘がありましたので、区の方でパトロールして必要な安全上の対策というのはやることになると思う」

もんすけ調査隊の指摘を受けて、札幌市は、14日、早速、枝の剪定を行った。見えにくかった「止まれ」の標識は、遠くからでもハッキリ見えるようになった。

札幌市みどりの管理課 与那覇政史課長
「パトロールで気づかないこともあるので、そういった場合は区役所の土木センターでパトロールしているのでご一報ください」


▽調査結果
依頼をもとに現場周辺を調査したら見えない道路標識を発見。しかし、速やかな対応で標識はハッキリ見えるようになった。


9月16日(金)「今日ドキッ!」