わざと車を傷つけるなどして、保険金を不正に請求していた中古車販売のビッグモーター。その新たな疑惑が、店舗前の街路樹が枯れているという問題です。名古屋市が緊急の土壌調査に乗り出すことを検討していることがわかりました。

(当麻葵記者)
「名古屋市名東区です。道路脇には街路樹など緑が生い茂っているが、ビッグモーターの店舗前にはまったくない」

名古屋市名東区にあるビッグモーターの店舗の前の道路には、街路樹の切り株だけが残されていました。枯れてしまい倒木の危険がある街路樹を名古屋市が伐採したものです。

今、全国のビッグモーターの複数の店舗前で、街路樹が枯れているのが見つかっているのです。

群馬県太田市の店舗前では2022年8月、街路樹17本が枯れているのが見つかりました。調査の結果、除草剤の成分が検出されたことから土木事務所が被害届を提出しています。

また名古屋市内でも、複数の店舗の前で街路樹が枯れる現象が確認されていることから、名古屋市は今後、緊急の土壌調査を行い、街路樹が枯れていた土の成分などを調べる方向で調整しています。

(ビッグモーター 和泉伸二専務)
「甘い認識で除草剤を撒いてしまって影響を与えてしまったことはあると思う」

ビッグモーターは25日の会見で「甘い認識で撒いてしまったことはある」と説明。ただしこれは10年ほど前の話で、現在は「そんな指導はしていない」としています。

一方、既に訴訟に発展している問題も。

訴えを起こしたのは、岐阜県内のビッグモーターの店舗に勤めていた元店長です。訴状などによりますと、男性側は上司からのパワハラや残業代の未払いがあったとして会社に対して約2000万円の支払いを求めています。

男性は2017年に入社。2019年から約2年間店長を務めていました。その頃、他の店長らも参加するLINEグループでこんな暴言をあびせられていたといいます。

(LINEグループ)
「ふざけてんじゃねーよ」
「日本語大丈夫?」
「会話すら成立しないなら店長下りろタコが」

さらに、一定の成果が出るまで残業を強要されたいたといいます。

男性はうつ病を発症し、2021年6月に会社を解雇されました。その後、2022年9月に交通事故で29歳で亡くなりました。

次々に出てくるビッグモーターの問題。

国交省は26日ビッグモーターの経営陣らに対し道路運送車両法に違反する行為がなかったかなどについてヒアリングを行っていて、違反が疑われる場合は立入検査を行う方針です。