9日午前、岐阜県中津川市で散歩をしていた70代の男性がクマに襲われました。
男性を救ったのは一緒に散歩していた愛犬でした。

男性の右肩についたおおきなひっかき傷。その理由は…

(クマに襲われた男性)
「距離にすると4~5メートルくらいの所からクマが走ってきた」

犬の散歩中にクマに襲われたのです。


9日午前7時半ごろ、中津川市加子母の林道で70代の男性が犬の散歩をしていたところ、体長1メートルほどのツキノワグマに遭遇しました。


(クマに襲われた男性)
「こっちを見ていたがそこら辺から急に走ってきた。前から飛びつかれるといけないから反転して下に走った」


男性はクマに背を向けて逃げましたが、後ろから追いついたクマに右肩をひっかかれて転倒。

さらに襲われるかと思ったところ…

(クマに襲われた男性)
「倒れて少しかまれるかなと思ったが、ちょうど犬がここでほえていたから大事にはならなかった」


クマはその後、山に逃げていきましたが、男性は右肩の骨にひびが入るけがをしました。


7月に入り県内ではクマによる別の被害が起きていて、3日には高山市で70代の男性がクマに腰のあたりを引っかかれて軽いけがをしています。

2023年4月以降、岐阜県内では9日までで184件のクマの目撃情報が寄せられています。昨年度は7月末までで142件でした。

ことしは7月9日までで、すでに40件以上多く報告されています。


一体なぜ今年はクマが多く目撃されているのか。

専門家はこの時期、餌を求めてクマの行動範囲が広がるとした上で…


(岐阜大学 淺野玄准教授)
「クマは秋にどんぐりの実を食べて冬眠に備える。どんぐりの実(の量)が周期的に良くなったり悪くなったりする。ことしはもしかしたらそういう年に(悪く)なっているのかもしれない」

岐阜県は7月3日に「ツキノワグマ出没注意情報」を出し、山に入る際には複数人で行動したり鈴やラジオを身につけるなどの対策を呼び掛けています。