注目を集める「G7広島サミット」。このサミットをさかのぼること7年前の5月には「伊勢志摩サミット」が三重県で開かれました。当時のオバマ大統領が伊勢志摩の地へ―。この地方への滞在時間はわずか42時間46分でしたが、記者がその姿を追いました。
7年前の総力取材“This is America”(2016年5月27日放送)
(以下は、当時の原稿です。)

26日午後7時以降、三重県志摩市のサミット会場のホテルでは、安倍晋三総理夫妻主催のカクテルパーティーなどが行われる予定でしたが、撮影は報道陣シャットアウトでした。
取材班が用意した、40倍ズームレンズのカメラでサミット会場を狙います。

昼間のホテル屋上でのフォトセッションの様子を、およそ400m離れたところからとらえることができました。


夜間撮影も決行。
(記者)
「志摩観光ホテルの室内が見えます。現在、カクテルパーティーが行われているとみられます。画面右側に安倍首相の姿をこちらから確認できます。そして先ほど、オバマ大統領も確認できました」


残念ながら、間もなくカーテンが引かれてしまいました。
その頃、地元の志摩市内の飲食店では。
「志摩にサミットが来たから、これから志摩はだんだん良くなるよ。この機会が、全世界に真珠が売れるきっかけになれば。何しろ真珠と漁業が主体の町ですから」。

厳戒態勢が敷かれ、商売はしにくくないのか飲食店に聞きました。
Q.休んでいるお店が多いですよね?
(飲食店)
「そうそう、逆にそれを逆手にとって営業した」
伊勢志摩にやってきた、超大国アメリカのトップの特に印象に残った光景をお聞きしました。
(飲食店の客)
「安倍首相が、オバマ大統領にはちょっと寄り添っているような雰囲気があった。伊勢神宮もオバマ大統領と2人で歩いて」
(飲食店)
「(賢島は)すごく近いですが、すごく遠いですよ。できたらオバマさんとか来てほしかったですけどね…」
(客)
「呼んでこようか…」
地元の皆さんにとっても、近くて遠い“サミット”です。
(記者)
「伊勢志摩サミット最終日。今日はですね、やっとアメリカ政府関係者が宿泊するホテルを突き止めました。日本そして、この島の印象を聞いてみます」。
賢島の西、ホワイトハウス関係者や大使館職員らが借り切るリゾートホテル施設。警察官がたくさんいます。
この2日間の印象を、オバマ大統領の周りはどう感じたのか。取材交渉しましたが…だめでした。ホテルのエントランス付近には、多くの警察官や、SPがいました。やはり、厳重な警戒体制、まさに『This is America』でした。
肝心のアメリカ政府関係者の皆さんはどうやらこの日の朝、チェックアウトしてしまったようで、既にいませんでした。まだ、サミットは行われているのに。気持ちはこのあとオバマ大統領が向かう広島なんでしょうか。
(記者)
「オバマ大統領の車列は賢島を後にし、広島へと向かっていきます」

午後になり、オバマ大統領がサミットでの公務を終了。志摩市民もその姿を見送ります。
(志摩市民)
「一瞬でしたけど、感動しました」
「こういう機会めったにないのでよかったと思います」
そして、専用ヘリ、マリーンワンに乗り込んだ大統領は午後1時50分、志摩市を後に。その後マリーン1は午後2時15分、愛知県常滑市の中部空港に着陸。


大統領を待ち受けていたのは、エアフォースワン。マリーンワンから滑走路に降り立つと、そのまま歩いて乗り込みます。
(記者)
「オバマ大統領をのせたとみられるエアフォースワンが、今滑走路に向かい、動き出しました」
向かうは広島。71年前にその強大な力を行使したアメリカ。その形は全く違えども、今なおその力は計り知れないと今回感じました。そして、午後2時31分離陸。この地に大統領が滞在したのは42時間46分でした。
