いよいよ始まった「G7広島サミット」。
このサミットをさかのぼること7年前の5月には「伊勢志摩サミット」が三重県で開かれました。当時のオバマ大統領が伊勢志摩の地へ―。この地方への滞在時間はわずか42時間46分でしたが、記者がその姿を追いました。
7年前の総力取材“This is America”(2016年5月26日放送)
(以下は、当時の原稿です。)
2016年5月25日夜、愛知県の中部空港そばでCBCテレビのカメラがとらえたエアフォースワン。いよいよあの人がやってくる。


それより前の午後7時すぎ、中部空港に降り立ったのは、その人をサミット会場そばまで送り届ける専用ヘリ、マリーンワン。

そして!
(柳沢アナ)
「エアフォースワンが中部空港に到着です。これは大きい!桁違いに大きいですよ」
歴史的瞬間! 2016年5月25日午後7時45分。世界で一番影響力のあると言われる男を乗せ、中部空港の滑走路に。
この映像は栄えある代表カメラの1人に選ばれたCBCカメラマンが捉えたエアフォースワンとマリーンワンのツーショット。

(記者)
「オバマ大統領の到着に備え、続々と警察官もやってきました」
一段と緊張高まる中部空港。
明かりに照らされた翼の星条旗。そして画面下には、眼光鋭いシークレットサービス。

(柳沢アナ)
「UNITED STATES OF AMERICA。エアフォースワン到着です!」
オバマ大統領、ようこそ!

足取り軽やかにタラップをかけ降りる。
近づいたカメラマンにSPがピタリ。そして向こうにもSP仁王立ち。

降り立った大統領を出迎えた1人、大村愛知県知事との11秒のやり取りはこうです。
(大村知事)「私は愛知県知事の大村秀章です」
(オバマ氏)「サンキュー」
(大村知事)「お会いできて光栄です」
(オバマ氏)「サンキュー」
(大村知事)「サミットの成功を願っています」
(オバマ氏)「シュア」


そしてマリーンワンに乗り換えた大統領は、午後8時3分に離陸。
愛知県滞在はわずか10分ほど…

(柳沢アナ)
「護衛のオスプレイも飛び立っていきます。あー見えない、隠れてしまった!」
しかし、このあともめげない。
午後8時30分ごろ、三重県志摩市でも待ち受ける人々。
(記者)
「きたきた、これはマリーンワンですね。大統領専用機、マリーンワン。いま着陸態勢に入ります」

この後は、ミサイル攻撃にも耐えうるという大統領専用車「ザ・ビースト」に乗り換えるはずの大統領。
(記者)
「来た!ビーストだ。大統領専用車ビーストが到着しました。国旗も見えますね」「今降りてきた!大統領ですかね」

賢島のサミット会場に移動です。
(記者)
「午後8時40分過ぎです。アメリカの車列がいま、志摩市内の交差点を通過していきます。ビーストです、ビーストが見えました。
いま、うっすらと後部座席、やや顔が見えたような気がしましたが…」


撮影テープを止めて確かめると、大統領の顔がうっすらと。

(志摩市民)
「オバマさんが見られませんでした」
「見れてないんです。残念ながら」

「志摩市出身と言っても『どこ?』とはならない。
『サミットがあったところ』となるから、それが嬉しい」

(記者)
「午後8時45分です。アメリカのオバマ大統領を乗せたとみられる車両が、厳重な警備の中、サミット会場の賢島へ入ります」


CBCのカメラで昨夜撮影できたのはここまで。志摩市内のホテルで、日米首脳会談を行ったツートップの様子は、代表撮影カメラでしか不可能。
(記者)
「いまオバマ大統領を乗せたとみられる車の列が、賢島へと向かっています。私達は規制がかかっているため、これ以上近くには行けません。オバマ大統領をカメラで捉えるのはなかなか難しい状況になっています」

(記者)
「これから志摩観光ホテルの屋上でフォトセッションが行われるという情報を聞きつけました。賢島近くにある小高い山に登って、そこからオバマ大統領の顔が見えないか。行ってみます」
特殊なカメラ、40倍ズームレンズを使ってサミット会場を狙います。


(記者)
「顔わかりますね、ちゃんと」
「あっ、オバマ大統領、その左にいるのが(イタリアの)レンツィ首相ですかね。
レンツィ首相とオバマ大統領が会話をしています。身振り手振りでどんな話をしているんですかね」


きょうも、シークレットサービスが絶えず張り付き、周りを寄せ付けない厳戒態勢。10台のカメラをもってしても、超大国アメリカの壁は、高かった。
(記者)
「今フォトセッションが行われていますが、残念ながらこの場所からオバマ大統領の姿は確認できません」
