いよいよ始まった「G7広島サミット」。

このサミットをさかのぼること7年前の5月には「伊勢志摩サミット」が三重県で開かれました。当時のオバマ大統領が伊勢志摩の地へ―。この地方への滞在時間はわずか42時間46分でしたが、CBCテレビの記者がその姿を追いました。

7年前の総力取材“This is America”(2016年5月25日放送)

(以下は、当時の原稿です。)
およそ5000人もの世界中の記者が、期間中 伊勢志摩サミットの情報を発信するというIMC国際メディアセンター。伊勢市の県営サンアリーナにオープンしました。


120社の各社専用ブースや、800席の共用スペースを備えています。

(記者)
「こちらの部屋にかかったフラッグはドイツ語の表記。この辺りはドイツメディアのブースになっているようです。こちらはアメリカのCNNのブースなんですけれども、まだ人がいる気配はありません。その他アメリカといえば多くのメディアがあるんですけれども、その姿は見かけないんですよね」

(ドイツから来た記者)
「アメリカのメディアは外のホテルにいるんじゃないかしら」
「(アメリカのメディアは)必ず来るはずだよ。オバマ大統領は広島を訪れる最初の大統領だから」

(マレーシアから来た記者)
「ほとんどのアメリカのメディアは、他のホテルに拠点があってそこにいる。ここじゃなくて」


なんとアメリカだけは、IMCとは別のところにあるホテルに、情報発信基地を設置していたということがわかりました。

アメリカのメディアは、国際メディアセンターとは全然違う場所にいるという、驚きの事実。そこへ向かいます。

私たちが目指したのは、国際メディアセンターから東におよそ9キロ、三重県鳥羽市の鳥羽国際ホテル。眼下には鳥羽の海が広がる、絶景の地に建つリゾートホテルです。

念のため、ホームページを開いてみると、確かに25日午前11時から、28日土曜日の午前11時30分までは、一般の利用はできないという案内が掲載されていました。

ホテルの入口には「U.S. TRAVELING PRESS PRESS FILING CENTER」、「アメリカのメディア関係者はこちらへどうぞ」という看板が。


アメリカの情報発信拠点の、心臓部の映像を捉えるべく交渉しましたが、取材はNG。


外務省を通じた記者証を持っていても、ホテルのエントランスの奥は、ホワイトハウスに届け出た記者証を持っている人しか入れないということでした。エントランスまでは日本なんですけど、その奥はアメリカといったような印象です。


ちらっと見えた奥のスペースには、大体60人分ぐらいの席があり、記者席のようになっていて、その奥には台があって、日本の国旗が右手、アメリカの国旗が左手で、中央に要人が話すような場所、スピーチをするような場所の台が置いてありました。おそらくここで要人は、ここで記者会見をするんじゃないかなというような印象を受けました。

サミット取材の経験豊富な、外交ジャーナリストの手島龍一さんにお聞きしてみると。

(手島龍一さん)
「普通だとひとつの国を訪問すると、身辺の警護・セキュリティー・通信も丸ごとその国のお世話になるのが原則。ところが(アメリカは)全く自らの安全・通信を他国に委ねないということになる。すべて自前のものを使う。国際メディアセンターの枠内で、彼らは仕事をしないということになる。

今回、いろいろな場面でスケールの大きさを見せつけるアメリカ、いよいよその主役がやってくる時間が迫っています。

2016年5月25日放送 CBCテレビ「イッポウ」より