真逆の投球術

今年成長した姿を見せた裏側には、援護率ではない別の数字に隠されていた。昨年の金丸はポンポンとストライクを重ねてから粘られた上、四球を与えたり、甘くなったボールを打たれた印象が強い。その課題解消となったのがまさに真逆の投球術だったのである。
変化があったのは2ストライクからの被打率。昨年.222であったのが、今シーズンここまでで.179と2割を切る好結果を残している。金丸はこの変化についてこう語る。
金丸「初球はアバウトにいって徐々にストライクゾーンを広げていくことを意識しています」
投球の変化は投げるボールの組み立てにあった。
昨年は初球に厳しいボールを投げ、追い込んだところで甘いボールを投げては痛い目に。しかし今年はまずは甘いボールでもファウルをとって自分有利なカウントへ追い込む。そして勝負球はきわどいボールを四隅に投げ込む。これが2026金丸夢斗スタイルなのである。
追い込むまでは大胆に攻めてカウントを稼ぐ。その好例として6月4日、バンテリンドームで行われた福岡ソフトバンクホークスとの交流戦の球界屈指のスラッガーとして名を馳せる柳田悠岐選手との対戦を挙げる。まず初球は甘めのスライダーでファウルを打たせると、次に選んだボールはバッターの身体に近いところへの緩いカーブでまたもファウル。わずか2球で追い込んだ。そして決め球は外角いっぱいに突き刺す渾身のストレート。いくら球界を代表する柳田選手でも手が出ないあっけない勝負に終わった。
この真逆の考えは投球の幅が広がり、2ストライクからの被打率は低下。追い込んでから厳しいコースに投げ切ることで見逃し三振を奪うケースが増加している。勝てなかった日々に試行錯誤した経験がまさに地となり肉となったわけだ。金丸自身、ルーキーシーズンの1年間が良い経験となっていることを認めている。
金丸「もう一度自分自身を見直す良い時間となった。1年目で勝ち過ぎていれば、1勝の重みを感じ取ることはできなかったのではと思います。成長できたのは昨年の経験があったからこそ」
勝てなかった日々の先に成長が待っていたのだ。










