ロシアによる侵攻に翻弄されるウクライナの少女、交流する愛知県の高校生が、その胸の内を聞きました。

(オンラインの画面に話しかける生徒)
「日本に、もし来ることができたら何がしたい?」
(画面の中で答える少女)
「京都に行きたい」

愛知県豊田市にある愛知県立豊田南高校では18日、生徒たちが英語でオンラインで会話していた相手は、ウクライナ東部の街「ハルキウ」の出身、13歳のオリアさんです。

生徒たちはウクライナが侵攻される前の“ことし1月”からオリアさんと交流してきました。

(豊田南高校の生徒)
「日本の文化やお城の写真を送って、オリアちゃんからは教会のきれいな写真を送りあって」

ロシア軍の侵攻開始で一度は途絶えてしまった連絡。

ハルキウへの攻撃は激しく、オリアさんは母親のエラさんと2人で隣国ポーランドへの脱出を試みましたが…。

(オリアさんの母 エラさん)
「たくさんの車で渋滞していて、ゆっくりしか進まない」

避難を急ぐ車の大渋滞で、なかなか出国できず。

やっとのことでポーランドに着いてからも、オリアさんの表情は日に日に暗くなっていったといいます。

(オリアさんの母 エラさん)
「コミュニケーションも取ろうとしないし、どこも行こうとしない。何を聞いても『どうでもいい』としか答えない」

そこで、豊田南高校の生徒たちは無事を祈るメッセージカードを書いたり、動画を作ったりして、遠く離れた所にいるオリアさんを励ましてきました。

(豊田南高校の生徒)
「オリアちゃんと、つながっていなかったら他人事のように思っていたが。1人の友だちとして安全に生きてほしい」

そして4月18日、ポーランドで日常を取り戻しつつあるオリアさんと、初めてリアルタイムで会話できることに。

ロシア軍による侵攻に翻弄される少女が胸の内を語りました。

(ポーランドに避難しているオリアさん)
「(ポーランドの学校でも)ウクライナと、ほぼ同じ授業が受けられている。たくさんの友だちや先生も親切で、すべてうまくいっている」

生徒たちとの会話では終始、笑顔がこぼれました。

(豊田南高校の生徒)
「日本に来たら何が食べたい?」
(オリアさん)
「お茶漬け」

あっという間に30分。

(豊田南高校の生徒)
「(オリアさんが)つらい時の写真ばかりを見ていたので。笑っている姿を見られてよかった」
「直接動画を送ってくることで、ずっとウクライナのことを頭に生活できる」

日本が大好きなオリアさんへ、次は桜の形をしたメッセージカードや本を届けるという生徒たち。

日本の高校生とウクライナの少女のつながりはこれからも。