「石伊選手がメインキャッチャーにならないといけないが…」谷繁氏が竜の捕手事情を語る

近年、正捕手を固定できないでいたドラゴンズ。しかし、ルーキー石伊選手の存在によって明るい兆しが差し込んだと言えるシーズンかもしれない。今季、ドラゴンズで最も多く先発マスクをかぶったのが石伊選手。76試合に先発出場し、盗塁阻止率4割1分3厘はリーグ3位。得点圏打率は3割を超え及第点といえる数字を残した。
さらに5年ぶりとなる7月の7連勝では全試合でスタメン出場をするなどキャッチャーとしてチームを牽引。数字に残らない貢献度も大きい。前半戦を終えた井上一樹監督が後半戦のキーマンに指名したのも石伊選手だったことから、チームにおける石伊選手の重要度は日に日に増していた。石伊選手のルーキーイヤーの活躍や2年目に向けた期待、またドラゴンズの捕手全体について谷繁さんが大いに語った。
―石伊選手の良さはどんなところか?
谷繁氏:やっぱり“所作”ですよね。タイミングが良い。いろんなことにおいてタイミングが良いですね。キャッチングも良いですし、スローイングも安定感がある。捕ってから速いですよね
2026年は石伊選手を正捕手として固定するべきか、それとも新たな競争、もしくは併用か―。今季、100試合以上でスタメンマスクをかぶったのはセ・パ両リーグで阪神タイガース坂本誠志郎選手のみ。昨季も甲斐拓也選手ただひとりだった。近年は複数の捕手でシーズンを回すチームが増加傾向にある。現役時代、スタメンでシーズン100試合以上の出場を当然とし、NPB歴代最多となる3018試合の出場をはたした谷繁さんは近年の捕手事情をどのように見ているのか―。
―正捕手とはどんな存在?
谷繁氏:全員から信頼される(存在)。ベンチ、ピッチャー、野手、そしてファン。周りの人間すべてから信頼されるのが正捕手だと思っています
―最近では正捕手と呼べる存在が少なくなってきた?
谷繁氏:最近、僕は正捕手ではなく“メインキャッチャー”と呼んでいるんですけど、メインキャッチャーはかなり増えてきていると思っています。100試合いくかいかないかという捕手ですね
―2025年のドラゴンズのキャッチャー事情はどのように見たか?
谷繁氏:まずは木下(拓哉)選手でスタートしたところでケガをして石伊選手がメインキャッチャーとして出ていましたね。これは来年以降、将来を見据えて井上監督が頑張って起用したと思います
―2026年もメインキャッチャーは石伊選手で決まり?
谷繁氏:石伊選手がメインキャッチャーにならないといけないですね
―他のキャッチャーの存在も重要では?
谷繁氏:もちろん!石伊選手に与えるのではなく、今度はやっぱり刺激が必要なんですよね。刺激を与えないと石伊選手のレベルが上がらないので。ベテラン3人の刺激も必要ですし、一番の刺激は若手である石橋康太選手と味谷大誠選手。石伊選手にとって年下の2人のレベルが上がっていけば大きな刺激になる。若手は可能性がありますから。若手の2人がレベルアップすることで石伊のレベルも上がると思います
―若手の突き上げがかなり大事?
谷繁氏:僕もそういった経験がありましたし。ベテランの選手はある程度伸びしろの可能性が見えてきますが、若手はものすごい成長を遂げる可能性があるので。僕はそこをすごく意識していましたね










