「何か起こってからやろうとしても間に合わない」

水害のリスクを抱えた地域では、住民も動き始めています。

庄内川に接する砂入地区に住む、大嶋義彦さん。自主防災会の本部長を務める大嶋さんは、近所のつながりが薄くなると災害時の助け合いも難しくなると感じ、地域のイベントのたびに声をかけ、防災に関わる人を増やしてきました。

(大嶋義彦さん)
「難しいことばかり言っても、なかなか人は集まらないので、お祭りとかをやって防災につなげると、もし何かあったときに「共助」の部分で助け合いができる」

大嶋さんはいま、避難に時間がかかる人をリストアップし市外への避難も含め、確実に逃がせるよう地域で連携して「個別避難計画」づくりを進めています。

(大嶋さん)
「自分の命は自分で守る選択をしておいて、自分で逃げられない人たちを助ける、共助の部分は今後も必要かなと」

線状降水帯は、先月だけで9回発生しました。東海豪雨から25年、雨の降り方は確実に変わっています。

(名古屋大学 田代さん)
「この25年間、同じような、あるいはそれ以上の水害・洪水が起こらなかったのは、たまたまでしかないと思う。何か起こってからやろうとしても間に合わない。どういう行動を取れるのか、どういう対策をあらかじめすることによって、被害を減らせるのかということを常日頃から考えいただきたい」

「想定外」の豪雨に見舞われても、確実に命を守る。個人、そして地域の備えが、改めて問われています。