最終18番でバーディ奪取、プレーオフ制し初優勝
第57回中部アマチュアゴルフ選手権競技で優勝した東北福祉大1年の矢野仁貴選手。最終日に怒涛の追い上げを見せ、18番のバーディでトップの松山茉生選手と並ぶと、プレーオフを制しての劇的勝利だった。
「4日間、1日目2日目は良かったが、3日目、4日目は結構苦しいゴルフが続いて。要所要所で耐えられたので、諦めなかったこともあり、それが勝ちに繋がったと思う」
2025年5月20日(火)~5月23日(金)於:スプリングフィールドゴルフクラブ
最終日の壮絶な逆転劇
曇り空のもと、最終ラウンドは3日目を終えて通算8アンダーで2位につけていた矢野選手。首位の加藤金次郎選手と1打差、3位の松山茉生選手とも1打差という僅差でのスタート。
中学3年の加藤選手は5月に行われた歴史あるトーナメント「中日クラウンズ」にも出場した将来を期待される有望株。高校2年の松山選手も昨年の日本アマを史上最年少で制し、若くして「中日クラウンズ」に出場と勢いに乗る。そんな実力者2人と壮絶な優勝争いを演じた。
序盤、矢野選手は思うようなプレーができず、特に5番ホールではダブルボギーを叩くなど苦しい展開に。前半を終えた時点で、首位の加藤選手とは3打差に広がっていた。
運とパターの精度が決め手に
優勝への起爆剤となったのは16番での30メートルの劇的なバーディだった。
「あれはもう、ボギー覚悟で狙ってやろうと思って。狙ったら本当に入ったので、そこから流れが良くなった」と振り返る。
その後も17番でバーディを奪い、最終18番でも5メートルのバーディパットを沈めてプレーオフに持ち込んみ、プレーオフも勢いそのままに制した。
「プレーオフは全然緊張せず、1ホール目で終わりそうな予感がしていた。負けてもしょうがないかなと思って打ったら入ってくれたので良かった」

海外への挑戦を視野に
今回の優勝で日本アマチュアゴルフ選手権競技への出場権も獲得した矢野選手。今後の目標を聞くと、その視線は高い場所に向けられていた。
「プロで活躍できる選手というのが第一目標。海外に行って活躍できる選手になりたい」
日本アマについては「上位に食い込めるように、自分の持ち味の攻めのゴルフを意識しながら頑張って戦っていきます」と力強く語った。
苦しい場面でも諦めず、積極的なプレーで勝負する姿勢。その攻めのゴルフで、矢野選手の今後の活躍から目が離せない。

左:松山茉生(2位) 中:矢野仁貴(優勝) 右:加藤金次郎(3位)