新しく就任した小泉進次郎農水大臣が進める備蓄米の価格引き下げ政策。参院選を控え、国民にアピールする狙いもあるとされるその中身とは?今後、備蓄米がどのように安くなっていくのかを解説します。

「6月初旬に2000円台」実現に向けた急速な動き

(小泉進次郎農水大臣)
「早ければ6月頭ぐらいに店頭2000円台で備蓄米が並ぶよう調整している」

この発言は、小泉大臣がスピード感を重視していることを表しています。あと10日程度で米の価格を2000円台にするという目標を掲げ、従来とは全く異なる契約方法を検討しているのです。

これまでの備蓄米販売は「競争入札」方式が採用されていました。複数の企業が価格を提示し、最高値が落札される仕組みで、競りと似た方式のため価格は上がる傾向にありました。この方式では60キロあたり2万1926円で落札され、その9割以上はJAが占めていました。

興味深いのは、政府が2023年に仕入れた備蓄米の価格です。60キロあたり1万2829円であり、販売価格との差額は約9000円にも達します。この状況に対し、自民党の小野寺政調会長は「国が儲けてどうするのか」と指摘していました。つまり、政府は安く仕入れて高く売っていたことになります。