高校スポーツの新しい試み
2022年から、高校バスケの新しい全国大会が始まりました。U18日清食品トップリーグです。
全国大会の実績上位校が集まって、8月の終わりから11月まで、1試合総当たりのリーグ戦形式で覇を競います。

甲子園に代表されるように、高校スポーツの全国大会は「負けたら終わり」です。しかしリーグ戦形式だと、「負けても次がある」。真剣勝負の機会を増やすことに繋がる、珍しい試みが行われているのです。

「思い切った起用ができる」
岐阜県の名門、岐阜女子高校バスケ部の安江満夫監督は「トーナメントは一発勝負なので選手起用に慎重になる。負けても次があれば、思い切った起用ができる」と話してくれました。

その通り、岐阜女子は1年生の林琴美(はやし・ことみ)選手が起用されています。林選手は瞬発力を生かしたプレーヤー。試合の局面を変える動きが期待されています

起用される以上は、期待に恥じないプレーをとモチベーションも上がっているそうです。
夏は登録外だった選手が出場!
2年生の原田倫(はらたりん)選手は、夏のインターハイではベンチに入れなかった選手でした。

全国大会に出られる嬉しさを胸に、はつらつとコートを動き回ります。得意の3ポイントシュートでチームを勝利に導きました。
もう一人、安江監督がこの大会から起用頻度を上げた選手がいます。2年生の吉井彩乃(よしい・あやの)選手です。

パスを出す、シュートを打つだけでなく、味方をフリーにさせるプレーや自ら犠牲になるプレーも見せる、言わば「実戦向きのプレーヤー」(安江監督)です。
そんな吉井選手だからこそ、真剣勝負の場が増えることはとてもありがたいことだそうです。
日本バスケのレベルアップに
全国規模のリーグ戦運営にはスポンサーに力が必要です。どの競技でもできることではないでしょう。
しかし「失敗しても取り返すことができる」リーグ戦の導入は、プレーする高校生たちの表情を見ても良い効果となって表れてきています。
さらには、「失敗が許されない」トーナメント戦の厳しさを共に経験することで、今後の日本バスケのレベルアップにつながることが期待されています。