練習内容は自分たちで考える 「強化したいところや弱点を考えて学ぶ」
そして世界で戦う力を育てる秘密の一つが道場ならではの練習方法。
これは生徒たちを3人ずつのグループに分けて
それぞれ自由に練習内容を決めさせる“課題時間”。
この時コーチは生徒たちの練習には口を出さずに見守ります。
ボール出しをするのももちろん生徒。

(松尾幸一館長)
「強化したいところや弱点を自分たちで考えて自分たちで練習する。
自分で考えることを学べるというか、言われたことだけをするのでは言われたことしかできないので。」
“自分で考えて練習をする”
それが世界で戦う力を身に着ける一番の近道。
戸上選手が道場に通っていたころにはこんなエピソードも…。
(戸上選手の恩師 松生瞬さん)
「フォアドライブが納得いかないと言い始めた時があって、
夜12時ぐらいまで練習に付き合ったことがある。結局明日も頑張るといって帰った。」
松生卓球道場のエースとして日々、卓球と勉強に励んでいる悠飛くん。
練習の様子をよーく観察していると一つ気になる点が…。
宿題をやっていたときはたしか、右手で文字を書いていたハズ!
実は悠飛くん、もともとの利き手は右だったのですが
祖父で館長でもある幸一さんの提案で
左利きに変更したのです。
(松生館長)
「左利きは理想的と考えていましたし、卓球は“回転”のスポーツですから
自分の技術にしてしまえば、アドバンテージを取れて有利に働く。」
ボールの回転がすべて右利きの選手と逆になるため
数の少ない左利きの選手は、それだけで有利なのだとか。
(松生悠飛くん)
「難しかったですけど、これからずっと左ならやっていく価値がある。
教えてもらったり一から取り組んでそこから今につながっています。」
悠飛くんの強みはそれだけではありません。卓球界では現在、シェークハンドと呼ばれる握手をするような持ち方が主流なのですが、悠飛くんはペンホルダーというより回転のかかり易い持ち方をしています。

(松生幸一館長)
「ペンホルダーの球はシェークハンドと少し違う。極端に曲がるというか
ペンホルダーは手首を使うのでもっと曲がる角度が激しい。左利きでペンホルダーはあまりいないのでユニークな卓球スタイル。」
左利きかつペンホルダーで戦う悠飛くんの最大の武器はサーブ。
大きく横に曲がるサーブを打ったかと思えば…
威力重視のロングサーブを繰り出したり。
そしてネットへ戻るほどの強力な回転がかかったバックスピンサーブも!
先月行われた、13歳以下の日本一を決める全日本カデットの三重県予選。
準優勝以上で11月に行われる全国大会へと進めます。
年上の中学生もまざる中、悠飛くんは左から繰り出す強力なサーブを武器に次々と勝ち進んでいきます。惜しくも優勝は逃したものの準優勝で、見事、三重県代表の座を射止めました。
(松生悠飛くん)
「(将来は)日本一を経験してみたいですし、世界で活躍できる選手になっていきたい。」

文武両道を掲げ、子どもたち一人一人に卓球選手として勝ち抜く術を教えて
成長を見守る松生卓球道場。戸上選手に続く未来のオリンピアン誕生に期待です。










