農作業体験と旅を楽しんでリピーターになってほしい


舟木さんが観光を楽しんでいた頃、農園では池田さんが出荷の準備中。

この日は108㎏、約5400個のミニトマトを収穫できました。受け入れ側にとって「おてつたび」は、働き手を確保する重要な機会にもなっています。

池田農園も慢性的な人手不足で、特に8月は繁忙期。「おてつたび」を使うことで、繁忙期にも人手が増え、助かっています。


(池田農園・池田俊也さん)
「おてつたびに来てくれる方は、お金を稼ぎに来たわけではない。知らない土地での体験と旅行を求めて来てくださっている。そこを大切にしてあげないと来た甲斐がないと思う」

「おてつたび」を通じてリピーターになってほしいという期待もありますが、観光地だけでなく飛騨の人の生活まで感じて帰ってほしいと考えています。

舟木さんの宿泊先には、他の「おてつたび」先に来ている「おてつびと」もいます。この日の晩は、ほかの「おてつびと」とパーティーを開くことになりました。

まだ数日ですが、仕事を共にしているためか、単なる旅行先で出会ったのとは違うつながりができるのも楽しみの1つです。

地域活性化の大きな力に 今後も注目が集まる「おてつたび」


舟木さんの「おてつたび」最終日。この日はトマトの収穫ではなく、草刈り作業でした。地味ですが、雑草の影響で病気になることもあるため重要な仕事です。

舟木さんは、どんなことにもこの草刈りのような下ごしらえが必要だという気付きも得られました。

(舟木菜々子さん)
「楽しい面ももちろんあったが、体力勝負の現場だったのでやっぱり大変だった。(栽培されて)できる過程を見られたことで、その食べ物に対する見方がまた変わった。飛騨の観光もできてすごくいいところだなと感じるとともに“おてつびと”や地域の人との交流でさらにここに来てよかったと思う」

池田農園の従業員たちと最後のあいさつを交わし、また「おてつたび」に来たいと別れを惜しみます。雇い主となった池田さんも、舟木さんが飛騨のファンになってくれたことを喜び、いい結果になったことに満足していました。

地方と若者を結ぶ、今どきのマッチングビジネス「おてつたび」。今後、地域活性化の大きな力となるかもしれません。

CBCテレビ「チャント!」8月10日放送より