なぜ「吉田さん」は、春になると徒歩で移動するのか…
米子水鳥公園 桐原佳介 統括指導員
「コハクチョウの生態を考えてみますと、渡り鳥ということで、春になると仲間はロシアへ向けて旅立っていきます。なので、この個体にとっては、安来から水鳥公園に移動するのも北帰行といいますか、渡りのつもりなのかなと個人的に思っています。それで水鳥公園で少し過ごした後で、安来の方に帰っていくと、渡り鳥としての本能が満たされて、落ち着くのではないかと想像しています」
周りの仲間たちが故郷へ帰っていく中、飛べなくなった「吉田さん」は毎年取り残されます。「吉田さん」にとっては、この泳ぎと徒歩の移動が「北帰行」なのかもしれません。

米子水鳥公園 桐原佳介 統括指導員
「結構長生きしている個体で、年を取っていると思いますが、これからいつまで元気な姿を見せてくれるのか、注目しながら見守っていきたいと思います」
「吉田さん」は例年1か月ほど米子市に滞在して、また徒歩と泳ぎで安来市の方へ戻っていくのだそう。
米子水鳥公園ではもうしばらく「吉田さん」の姿を見ることができるかもしれません。