この時期気になりはじめるのが花粉。
今シーズンは過去10年で最大レベルとも言われ、花粉症ではない人も対策が必要となりそうです。
記者 入江直樹
「松江市街地の外れに来ています。まだ肌寒いですがそろそろ花粉は飛び始める時期だといいます。叩いてみます。よいしょ、実際に目には見えないですね」
17日、島根県松江市の雑木林。
この日、スギの木の花はかなり膨らんできていましたが、まだ硬く叩いても花粉は見えませんでした。
環境省によると、この春のスギ花粉の飛散数は、中国地方では「極めて多くなる見込み」と発表しています。
環境省が発表したスギの雄花の花芽についての調査結果では、1平方メートル当たりの花芽量は、鳥取県では去年の約17倍、島根県ではなんと約21倍となっています。
また、過去10年の最大値と比べ鳥取県はそれを上回り、島根県もほぼ同じくらいの値となっています。
こうした中、鳥取県米子市にあるクリニックでは。
阿部クリニック 阿部博章院長
「だいたい3分の1から半分くらいは花粉症の患者さんではないかと思いますね」
花粉症の患者が目立ち始めていました。なかには年末から受診をしている人もいるといいます。
40年以上花粉症患者を診てきた阿部院長。一番の対策は花粉を吸いこまないことだといいます。
阿部クリニック 阿部博章院長
「花粉を鼻の中に入れない、吸い込まないということがまず第一です。ですからマスクをするとか、あるいは家の中に花粉を持ち込まないとかが第一です」
重要となる「マスク」。しかし、今年は1つ懸念があるといいます。
それは3月13日から、新型コロナの感染症対策のためのマスク着用が個人判断となること。
阿部クリニック 阿部博章院長
「去年マスクをしていて花粉を吸いこまなくて軽く済んだという人が、今年はマスクを外したのでいっぱい吸い込んで症状が出るというのはありうると思います」
今年は過去10年で最大クラスの花粉。阿部院長は、花粉症ではない、または症状が軽いからといってマスク無しでいると、重たい症状が出る可能性があるとしています。
マスクのほか、花粉がつきやすいウールなどのコート類は避ける、寝室には外着を持ち込まないなど日ごろの細かな対策も重要です。
阿部クリニック 阿部博章院長
「できればより早い時期から症状が出る前から治療を始めてほしい。アレルギー性炎症は火事みたいなもんで燃え盛ると消しにくくなる。しっかり治療をしていれば、より楽にシーズンを終えることができると思います」
日本気象協会によると、中国地方のスギ花粉のピークは、3月上旬から中旬だということです。