島根県大田市の粘土瓦製造業「石央セラミックス」が、9月12日に松江地裁出雲支部より特別清算開始命令を受けたことがわかりました。

帝国データバンク松江支店によりますと、同社は1993年に設立され、地元の瓦メーカー5社が製造の集約化・効率化を図り、棟瓦などの役物瓦専門の製造を目的に協同組合として事業をスタート。ピークの2000年7月期には年売上高約5億6200万円を計上しました。

しかし、その後は石州瓦の需要不振に伴って組合員の事業譲渡・吸収合併などによる脱退が相次ぎ、2010年8月には組合員が1社にまで減少していました。

2019年12月期(2009年に決算期変更)の年売上高は約3億2800万円にとどまり、採算性も振るわず大幅な損失計上が連続するなど厳しい資金繰りが続いたため、2021年1月に事業を停止していました。

その後、2024年6月に地元の大手瓦メーカーとの統合が決定し、同年12月に社有不動産を売却。今年3月には株式会社に組織変更した後、4月10日に株主総会の決議により解散していました。

負債は債権者約5名に対して、約4億7621万円です。