全国旅行支援も始まり、秋の行楽シーズン真っ只中。そんな中、山陰観光の拠点、松江城観光を巡る議論が始まっています。
松江市は国宝・松江城に直結する市営の駐車場を将来、交流広場としての整備を検討していることが分かりました。


冬に向け、深まる秋とともに高まる旅行ニーズ。
紅葉が見ごろを迎えた松江城も観光シーズン真っ只中です。
14日、国宝・松江城につながるメイン通り。

記者 木谷茂樹
「午前10時半を回った大手前通りです。平日にも関わらずこちらには松江城に向かう車で渋滞が発生しています。駐車場も満車状態ですね。」

多くのマイカー観光客が利用する、市営の松江城大手前駐車場。
一般車両67台、大型バス3台分の駐車スペースがあり、城に直結する有料駐車場とあって平日でも渋滞が発生しています。

周辺の駐車場不足を補うため土日、祝日は島根県庁などを、おもてなし駐車場として無料開放していますが…

大手前駐車場利用客
「年寄りがいたので歩きやすいし近いから」
「(松江城に駐車場近い?)そういう風に聞いてきた。」

こうした中、このアクセス抜群の駐車場を市は将来的に交流広場として再整備を検討しているといいます。

松江市都市政策課 服部広 課長
「(道路に)渋滞も出ていて松江市としても良い状態という風には考えていない。大手前駐車場を今後、広場化してまち全体を歩きたくなる街並みにしたい。」

市が策定した総合計画では2030年に向けて大手前駐車場を広場化し松江城からJR松江駅や宍道湖周辺をまち歩きで行き来してもらうための拠点にしたいとしています。

実際、観光客に話を聞くと…

松江城訪れた観光客
「これからは出雲のホテルに戻る」
「大山を回ってきた。もう広島に帰ります。」「これからまっすぐ境港」

松江城に立ち寄るだけでマイカーで次の目的地に向かう人が多いのが現状です。

実際、次の目的地も訪れてみると。
お隣鳥取県の観光スポット「水木しげるロード」も平日にも関わらず多くの人で賑わっていました。

お店の人は
「全国の旅行支援、あれが始まってからガラッと変わって今までは平日も土日も閑散としてたんですけどすごい人が増えてありがたいです」

全国旅行支援をきっかけに県外からの観光客が増えているとのこと。

福岡から
「車です。島根に泊まって今日こっちに来ました。」
山口から
「車です。鳥取と松江、出雲。松江城行って出雲大社」

やはり車で鳥取・島根の観光スポットを一緒にまわる人も多いようです。松江城の駐車場問題については。

福岡から
「(駐車場が)ないと観光しにくいかなって思います」
山口から
「ちょっと不便ですよね。でも子供がいるんだったら子供の遊ぶスペースがあったら助かります。」


観光客は賛否両論です。

松江市都市政策課 服部広 課長
「松江(観光)の目的では松江城が一番の目的地になる可能性が高い。街中を人々が歩いていただいて賑わいになる街中が作れるのではないかと思っている。」

一方、広場化による駐車場問題は…

松江市都市政策課 服部広 課長
「民間や市営の駐車場はちょっと離れているがあるので活用しながら、残すべき機能、付加していく機能を考えていきたい。」

駐車場の有無を含め、広場の具体的な中身や整備時期は未定としていますが、10月、島根県への重点要望として交流広場化の参画を求めました。

松江市都市政策課 服部広 課長
「(松江市の)総合計画は8年後までに目指す姿を考えていて今後出来る所から進めていきたい」

国宝・松江城を拠点としたまち歩きの観光推進。山陰を代表する観光地だけあって、その影響は他のエリアにも及びそうですが、より多くの人が納得できる新しい観光の未来予想図に期待がかかります。