警備会社が新たな事業として始めたのは、なぜかキムチの製造でした。
安全だけでなく、キムチの味も守る。全くの異業種に参入することになったそのワケとは。

「ここが、あいちゃんキムチを製造している場所です」
大きな金だらいに、たくさんのハクサイを使って、キムチはまさに手作業で作られていました。
本場・韓国の味が、鳥取県湯梨浜町で作られています。


小崎純佳キャスター
「確かにしっかり辛さはあるんですが、その中に甘み、フルーティーさが感じられて美味しいです。これはご飯は進みそうです」


この絶品キムチが今、地元で大きな話題となっています。

製造する会社の社長・鳥羽圭介さんは、実はキムチの製造経験がありません。

それもそのはず。鳥羽さんが鳥取県北栄町で経営するのは、交通誘導や警備業務などを行う警備会社なんです。


全くの異業種参入。
なぜ警備会社がキムチ製造に乗り出したのでしょうか。

鳥羽警備保障 鳥羽圭介 社長
「自分が以前ファンでもありました、西谷さんのキムチが忘れられない。これを何とか広めて会社の柱としてどうにかならないかなと考えました」

キムチを作るのは韓国出身の西谷愛子さん71歳。
もともとは母親から受け継いだ味を趣味程度で作っていました。


キムチ製造担当 西谷愛子さん
「お母さんから教えてもらって、日本で結婚して、キムチ作りして」

近所で評判となった西谷さんのキムチは、JAの直売所などで販売されるように。
ここで鳥羽社長は、西谷さんのキムチの虜になりました。

しかし、ここ数年、家庭の事情などで店頭販売ができずにいたところ、「大好きなキムチの味を守りたい」と鳥羽社長が立ち上がったのです。

キムチ製造担当 西谷愛子さん
「とっても嬉しかったです。キムチ作りができて、とてもありがたく思っています」


こちらが「あいちゃんキムチ」。
鳥取ならではのこだわりもあります。

キムチ製造担当 西谷愛子さん
「梨ですね、鳥取県の梨が最高に、キムチの味を作ってくれます」

味の決め手は、地元特産の梨の汁。
子どもから大人まで美味しく味わえるといいます。