能登半島地震に伴う液状化対策工事の住民負担額として新潟市は26万円を示しました。この金額をめぐり市と住民の間で溝が浮き彫りとなっています。
今週8日、新潟市西区の黒埼地区で行われた市と自治会長らとの意見交換会。

【住民側出席者】
「できれば住民負担をゼロにしてもらえないかなと」
「まだ建物は斜めになっています」
「恥ずかしい話ですが、これを直すお金もありません」
【新潟市担当者】
「なるべく負担軽減と検討させてもらった結果でございますので、ご理解をお願いしたい」
能登半島地震で液状化被害の出た、新潟市西区と江南区。

新潟市は対策工事について、地権者の100%の合意と、維持管理費として住民に対し30年間で26万円求める方針を示しました。

その後、住民らと顔を合わせるのはこの日が初めて。
市の担当者は「公平性の観点から負担をお願いしたい」と理解を求めましたが、負担金に加えて100%の地権者合意という条件に、住民側からは不満の声が相次ぎました。
「100%の同意がなければ工事はしないんですね?だったら工事なんかできるはずないでしょ」
「結局100%合意を求めると、なんだかんだいって、『揃わないからやりませんでした』と。新潟市はやる気がないというか、やらないための理屈をこねているだけにしか聞こえない」
また住民は熊本地震の例を挙げて、新潟市の姿勢を疑問を呈しました。
液状化被害が相次いだ熊本市は、新潟市と同じ工法で住民負担がゼロなのに加え、住民合意も8割で対策工事が行われています。

「なぜ新潟市、政令指定都市はそれくらいのことはできないのか?」
【新潟市の担当者】
「地域の分断につながるんじゃないかと心配の声もいただいているので、こういった合意形成を、全て自治会や地元の方に任せるつもりはありません」
2時間に及んだ初めての意見交換会は、新潟市市と住民それぞれの主張がぶつかるだけに終わりました。
【住民側出席者】
「市は通り一遍の描いたストーリーしか話しないんだなと」
「自分たちの意見をずっと通すんだという強い意志を感じました」
「我々の意見が理解してもらうためにも、市の方にも何回ともいわず意見会を設けていきたい」

新潟市の液状化対策工事。
市民との溝を埋めることはできるのでしょうか。