夏の甲子園でベスト8に駒を進めた青森山田。19日の準々決勝で滋賀学園(滋賀)と対戦する。春夏通じて初のベスト4進出をかけて対戦する相手を分析する。
滋賀といえば、夏に17回出場している近江高校のイメージが強いが、今年の滋賀県大会を制したのは滋賀学園。15年ぶり2度目の甲子園切符を掴んだ。春のセンバツでは2016年に一度、ベスト8まで勝ち上がったことはあるものの、夏は今大会で初勝利を挙げるまで勝ったことがなかった。青森山田としては、3回戦の県立石橋高校戦(栃木)に続き、2試合続けて、今大会で夏の甲子園初勝利をあげたチームと対戦することになる。
このチームを支えているのは、応援団による”モンスターダンス”だ。アルプススタンドで応援する部員のユニークな動作やダンスが話題となっており、テレビカメラに向けた表情がSNSで拡散され、大きな注目を集めている。
主将の門田選手はこの応援についてー。
「自分たちの能力以上にもてるものがあるとバッター陣は打席に立って感じています。応援は私たちにとってとても大きいです」
反響を聞いてみると
「すごくありましたね(笑)おもしろい、やってみたいという声がすごく多かったと。応援団長がかなり力を入れているので、次の試合も楽しみです。球場全体が味方についてくれたらいいですね」
日に日に応援を見るために球場へ駆けつける高校野球ファンも増えている。球場全体が一つになる踊り。青森山田ナインは地方大会から快進撃で甲子園に旋風を巻き起こした県立石橋高校戦に続き、グラウンドだけではなく、スタンドとも戦わなければならないだろう。
県大会では、野手による失策は5試合中わずか1。門田選手は自らのチームを「守備型のチーム」という。内野では1年秋から組んでいる鉄壁の二遊間(二塁・多胡大将選手と遊撃・岩井天史選手)はチームの要である。また中堅手の作田健太選手も守備範囲が広く、センターラインを中心に堅い守備を誇る。
ただ、滋賀学園は昔から「守備型のチーム」として有名だった訳ではないという。1つの敗戦がチームを大きく変えた。
※滋賀学園・岡田幸大選手
「いまの3年生の代が1年生の時は打撃のチームだった。でも県大会でチームは初戦負けをしてしまい、その時に監督が良いピッチャーがきた時に負けてしまうので、これからは守備のチームとしてというのを。そこが今のチームとして活きている」
チームとして守備を土台にはしているが、打線もあなどれない。1回戦では有田工(佐賀)を相手に10得点、2回戦では花巻東(岩手)に8得点。3回戦では霞ヶ浦(茨城)に6得点。今大会1試合平均得点では青森山田が7に対して、滋賀学園は8とわずかに上回っている。3回戦の霞ヶ浦戦で先制タイムリースリーベースを放った岡田選手は打線全体の意識を語った
※滋賀学園・岡田幸大選手
「誰1人長打を狙っている選手はいない。1番から9番まで後ろに繋ごうという意識で打席に立っている」進塁打などの細かいサインは打者が自ら判断しているほど、打線の後ろに繋ぐ意識は非常に強い。
その中で、次戦となる青森山田で警戒する選手を聞くとー。
※滋賀学園・岡田幸大選手
「関投手です。真っ直ぐも変化球もストライクゾーンにしっかりきてレベルの高い投手。ツーストライクになったら少し短くもって、ファール打ちに行って、ヒット打ったらラッキー、四球で最高という形を作っていきたい」
門田主将も関投手を警戒する。

「真っ直ぐも強くて、スライダーも良い。なかなか打てる投手ではない。だからこそ繋ぐ意識で。ロースコアの展開でいきたいです」
青森山田というチームをどう見ているのかー。
門田主将
「個々の能力があるので、パワー勝負になると思うんですけれど、その中で自分たちが細かいところを撤退することで勝てると思うバントであったり、進塁打や、機動力など次の塁を狙っていく姿勢を見せていきたい」
門田主将は序盤の展開が重要だと語るー。
「前半で0が並べばロースコアにもなると思います。だからこそ、序盤の展開がすごく大事。序盤から試合が動けば乱打戦になると思いますね。」
青森山田と滋賀学園も勝てば初のベスト4。どちらのチームもまだみたことのない新たな景色をみるためにグラウンドに立つ。