■2023全日本大学女子選抜駅伝競走(30日、富士山本宮浅間大社前発~富士総合運動公園陸上競技場着、7区間、43.4㎞)

2023全日本大学女子選抜駅伝競走、「富士山女子駅伝」の名称で知られる大学女子駅伝が30日に行われ、名城大学が富士山周辺コースとなり史上初の6連覇。10月に全日本大学女子駅伝も制した名城大は前人未到の6年連続2冠を達成した。1年2か月ぶりのレースに期待された拓殖大の不破聖衣来(3年)は出場しなかった。

実業団を含め女子駅伝界では最長の43.4km、さらにコースの高低差が174mと富士山麓を生かした厳しいコースとなった。全24チームが参加、4年生にとっては学生最後のレース。気温9.3℃で湿度61%、風は2m、晴天で富士山も綺麗に望める絶好のコンディションとなった。

10月の全日本大学女子駅伝で史上初の7連覇を達成、今大会も5連覇中の名城大は1区(4.1㎞)に柳樂あずみ(2年)を起用、10月の全日本女子駅伝では出場機会のなかったが今年のラストレースで流れを作る大事な1区を任された。序盤から先頭に立つとレースをコントロールした。

3キロ付近で柳樂がペースをあげると、立命館大の太田咲雪(1年)、日本体育大の齋藤みゆ(3年)がついていった。残り300mで名城大の柳樂がスパートをかけ1位でタスキリレー。

6連覇に向け好スタートの名城大、2区(6.8㎞)は去年3区で区間新記録をマークした米澤奈々香(2年)、タスキをもらうと落ち着いた走りで2位以下を離していく走り。タスキを受けた時は3秒だった差を14秒に広げ、2年連続の区間賞と盤石なレース展開となった。

この2区では玉川大の山田桃愛(4年)が好走、小学6年生の時に白血病を発症、中学でまた運動を始めるが現在も血液検査を行っている。山田は19位でタスキをもらうとトップスピードで入り、12人抜きの7位までチームを押し上げた。区間賞は逃したが学生最後の駅伝で最高の走りを見せた。

トップの名城大は3区(3.3㎞)にが大学駅伝デビューとなった山田未唯(1年)、大学初レースでも落ち着いた走り、区間新まであと6秒という区間賞でトップをキープ、2位の立命館大とは20秒差、ここまで3区間で名城大は全て区間賞を獲得している。

4区(4.4㎞)、石松愛朱加(2年)も力強い走りで2位との差を46秒、タスキをもらってから26秒の貯金を作り、またも名城大が区間賞を獲得した。エース区間の5区(10.5㎞)を任されたのがメガネがトレードマークの谷本七星(3年)、大学駅伝では5回走り5度の区間賞と負けなし。谷本は序盤は固い走りでスピードに乗れなかったが、中盤以降は伸び伸びとした走りを見せた。区間賞は逃したが最後は笑顔でタスキを渡した。2位に上がってきた大東文化大との差は1分4秒。

6区(6㎞)は主将の増渕祐香(4年)、10月の全日本ではメンバー落ちを経験、しかし、11月12日に福島で行われた東日本女子駅伝では、優勝した東京チームの最終9区(10.0km)を走り33分01秒で区間賞と復活を見せた。増渕は単独走でも自分のペースをしっかり守り、中間地点で自身の持つ区間記録とほぼ同じペースで通過した。最後までペースが落ちず、飛田凛香(立命館)と自身が持つ記録を4秒上回る19分27秒、大学駅伝最後のレースを区間新記録で飾った。

アンカーの7区(8.3㎞)は原田紗希(2年)、2位と1分54秒差でタスキを主将から受け取ると勾配の厳しいコースも落ち着いた走りを見せた。苦しい登りのコースでも粘りの走り、チームメイトが見守る中、笑顔でゴールテープを切った。

名城大は7区間中、5区間で区間賞を獲得、去年に続き2年連続で1区からトップを譲らず、完全優勝。富士山女子駅伝は6連覇を達成、そして、6年連続となる大学女子駅伝2冠を達成、駅伝では6年間負けなしとなった。

【全日本大学女子選抜駅伝 結果】
優勝:名城大学
2位:日本体育大学
3位:大東文化大学
4位:立命館大学
5位:大阪学院大学
6位:城西大学
7位:拓殖大学
8位:東北福祉大学
9位:大阪芸術大学
10位:中央大学