東京電力柏崎刈羽原発に出している事実上の運転禁止命令について、原子力規制委員会は27日、正式に解除することを決定しました。

命令の解除は、27日に開かれた原子力規制委員会の会合で正式に決まりました。

【原子力規制委員会 山中伸介委員長】
「改善を一過性にしない取り組みには一定程度定着が見られる。今後も緩みがないかどうか、きちんと東京電力には対応してくださいと、この判断結果の中でも書いてもらっている…」

柏崎刈羽原発をめぐっては、IDカードの不正使用や侵入検知設備の故障など「テロ対策の不備」が相次いで発覚。

規制委は2021年に、原発内での核燃料移動などを禁ずる事実上の運転禁止命令を出し、東京電力の再発防止策をチェックしてきました。

山中伸介委員長は20日に東京電力の小早川智明社長と面談し「自律的な改善ができる状態である」と述べ、改善状況を評価。

7日の会合で委員それぞれが命令の解除について認めたほか、原発を運転する東電の事業者としての「適格性」についても再確認できたと判断しました。

原子力規制委員会からは27日午後にも東京電力に通知書が手渡されるとみられ、原発再稼働に向けた議論が2年8か月ぶりに動き出すことになりそうです。