香川県一のキウイフルーツの産地・善通寺市で、キウイの出荷が最盛期を迎えています。市内の農園では新たに貯蔵出荷施設を整備し、海外への輸出を広げていこうとしています。

キウイフルーツの出荷で大忙しの善通寺市のキウイバードコーポレーションです。

全国でキウイのオリジナル品種が最も多い香川県。キウイバードコーポレーションでは今、さぬきゴールド・さぬきキウイっこ・香緑の3品種が出荷されています。

出荷作業が行われているのは、今年9月に完成した貯蔵出荷施設です。

施設の目玉は、30トンものキウイが保存できる大型の冷蔵・貯蔵庫です。畑から車でわずか5分の場所に施設が作られたことで、より新鮮な状態で保存することが可能になりました。

(キウイバードコーポレーション 島田満沖社長)「品質管理が非常に容易になったということですね。長期販売にもつながっていくと」

施設にはキウイの追熟用の部屋もあります。

収穫・貯蔵の段階では硬いままのキウイを、消費者の手元に届くときには食べごろになるよう追熟して出荷します。

(キウイバードコーポレーション 島田満沖社長)「炭水化物を加糖にする作業が追熟ということなんですけど、それをこの部屋の中でする訳ですね」

「おいしい給食いただきます」

善通寺市の学校給食には、旬を迎えた善通寺産のキウイが出てきます。

子どもたちに地元のキウイに親しんでもらおうという産地ならではの取り組みです。

(児童)「甘いです、ちょっと甘酸っぱいです」

「おいしい」

産地を盛り上げていこうと香川県や善通寺市もキウイバードコーポレーションの冷蔵・貯蔵庫の整備に補助を行い、後押ししています。

(香川県中讃農業改良普及センター 濵野康平さん)「香川の高い品質が評価されて、単価としても高いまま行ってるんですけど、まだまだ需要も今後増えていくと思われますし、生産量を増やしていくべきかなと。生産量が増えてくると、より多くの人に善通寺産のキウイフルーツを届けることができますので、それで産地としての知名度もどんどん上がっていけばいいかなと考えています」

キウイの鮮度が保ちやすくなったことで、人口減で縮小が懸念される国内市場のみに頼るのではなく、高品質の日本産フルーツが注目を集める海外への展開がしやすくなりました。

(キウイバードコーポレーション 島田満沖社長)「品質のいいもの、商品力のあるものを日本だけじゃなしに世界に向けて発信していくことが果樹農家の生き残る道でもあろうかと思います」

新施設の完成でキウイフルーツの出荷は、これまでの1・2月から期間を延ばして、3月末まで続けることが可能になりました。海外への販路拡大へ善通寺市特産のキウイフルーツの新たな一歩です。

12月16・17日には、キウイまつりが「善通寺五岳の里」市民集いの丘公園で開かれます。