岩手県大船渡市で運送業を営む会社が今月6日、民事再生法の適用を申請したことが分かりました。負債総額は県内で今年最大の18億円余りです。
民事再生法の適用を申請したのは、大船渡市日頃市町の一般貨物自動車運送業・「ヤスモト」です。東京商工リサーチ北上支店によりますと、2006年に設立されたこの会社は東日本大震災の復興特需を背景に業績を上げていました。業務内容は建設機械の運搬がメインで、道路の点検作業なども行っていたということです。ピークとなる2019年5月期には、売上高14億8226万円を計上していましたが、その後、受注が減少に転じ、債務超過となっていました。ヤスモトは今月6日付けで東京地裁に民事再生法の適用を申請し、負債総額は今年の県内では最大となる約18億3500万円です。帝国データバンク盛岡支店によりますとヤスモトは今後、スポンサー企業を探しながら経営再建を目指す考えです。
会社は8日午前10時から約40分にわたり債権者を対象に説明会を行いました。会社によりますと、最近は県外の業務が多くを占めていましたが、新型コロナの影響により受注が減少したことや、燃料費の高騰が経営を圧迫していたということです。代理人弁護士によりますと、現在までにスポンサー企業の候補が複数社あがっているということですが、今後は県外の1社に候補を絞り、交渉していくということです。従業員32人の雇用は継続する方針です。